先日 Apple によって買収された、人気のヘッドホンメーカー「beats(ビーツ)」ですが、Apple による買収発表(5月28日)後間もなく発売された、最新機種「beats solo 2」(6月12発売)を勢い余って入手してしまいました…
たまたま実機を試聴した翌日に不意打ちの「Amazonタイムセール」が!
それは突然やってきました。先日たまたま豊田市のエディオン豊田本店で「beats solo 2」の実機を試聴して、先代の「beats solo HD」から改善されたという音質を聴いて、「お、なかなかいいじゃん」と思っていた矢先、翌日の深夜に、最近買い物運が好調の相方が、偶然 Amazon タイムセールの「まもなく開始」に「beats solo 2」がラインナップされているのを発見!
一体いくらで出てくるんだろうと、カウントダウンされる開始時間を眺めながらスタンバイ。そして、午前1時にスタートした瞬間、出ました!他のどのオンラインショップよりも安い価格、1万円台!。beats の製品を探したことがある人ならわかると思いますが、beats 製品は Apple や Burberry よろしく、ほとんど値引きされることがなく、どのショップも価格はほぼ横並び。しかも最新モデルがこのタイミングで Amazon にこの価格で出てきたのは正直驚きました。
賛否両論ある(?)「beats サウンド」
「beats」のヘッドホンは、以前DJ向け雑誌で見かけた頃から気にはなっていました。ファッショナブルなヘッドホンとして、海外などで支持を集める一方、日本のネット上でレビューを見ているとどういうわけかバイアスのかかったような否定的な意見が多いのも事実。
ただ実際に試聴しようにも、田舎では置いてある店舗自体がほとんどなく、少し前に「名古屋で beats を試聴できるのは当店だけ!」とPOPが書かれていた名古屋駅裏のビックカメラで試聴したのがやっとという感じ。しかしビックカメラ名古屋駅西店は試聴スペースがとても狭い上、ヘッドホンのNo.と端子のNo.がズレてるわ、ヘッドホンがすでに壊れてボロボロになってるわ、周りは騒々しいわで、結局聴きたいモデルの視聴も満足にできませんでした。
それからしばらくして、先日たまたま別件で寄った「エディオン豊田本店」に beats のヘッドホン/イヤホンが並んでいるのを発見。ここはスペースも通路も広く、じっくり試聴できました。USB DAC「FiiO E07K」と「MUSE X5」を iPhone にデジタル接続してそれぞれで聴き比べもしました。
beats のヘッドホンをひと通り試聴して好印象だったのが、この「beats solo 2」。総合的にコストパフォーマンス(性能や使い勝手、ファッション性を含め)がよさそうで、いつか手に入れたいと思える製品でした。
そしてその翌日の夜、「Amazon タイムセール」がやってきたのでした。なんという偶然のタイミング!たぶんここで手に入れるのが運命だったのでしょう(←と自分への言い訳)。
所有欲を満たす抜かりない演出と造形
前置きが長くなりましたが、そんなわけでポチりました(笑)
届いたのは Apple 製品のような丁寧なパッケージ。箱を開けるとまず "CHANGE THE WAY YOU HEAR SOUND" のメッセージ。演出も Apple 風です。
持ち運びに便利なキャリングポーチにコンパクトに折りたたまれた状態で入っており、カラビナもついています。
最近まで使っていた MacBook Pro の上に載せて造形美をひとしきり堪能します。先代の「beats solo HD」のフラットな外観と比べ、先行して発売されている「beats studio V2」同様の流麗なフォルムになっています。
期待を裏切らない深い重低音とアタックにキレのある中高音域
さっそく音出しをしてみます。初めケーブルの本体への押し込みが足りなくてモノラルになってしまったというハプニングがありましたが、しっかり押しこむと店頭で試聴した「beats サウンド」が蘇りました。
賛否両論あるように、人によって好みは分かれるかもしれませんが、オーディオエンスージアストではない大多数の人々は幸せになれる音だと思います。
一言で表せば、ライブやクラブで聴くようなサウンド。超低域まで伸びた深い重低音を響かせ、ドラムやパーカッションのアタックの「キレ」がよくメリハリがあり、低めのベースラインも心地よく追うことができます。昔CDショップによくあったナカミチの試聴機(最近はCDショップに行かないので近頃の機種はよく知らない)は強烈なメリハリある音が特徴的でしたが、あそこまではいかないけれど系統的には近い感があります。
「beats」というブランド名が物語るように、ビート系サウンドには最適です。
中高音域は意外にキレがあってシャープで、かといって刺さる感じもなく、全体的にアタックの立ち上がりが「ピシッ」と決まっている感じです。
今回は MacBook Air に USB DAC「FiiO E07K」を接続して聴いていますが。PC や iPhone のヘッドホン出力と比べ、断然音の「キレ」が違うので、是非 USB DAC を通して聴くことをオススメします。
この曲のベースラインを beats solo 2 で聴くとたまりません!
10Hz近くから17kHz以上まで聴こえるワイドレンジと安定感
「beats」というと、ネットや雑誌での評価などから「低音重視」というイメージでしたが、以前紹介したサウンドチェック用サイト「AudioCheck.net」で生成した各種周波数のサイン波でテストしてみたところ、意外にも17kHzを超える超高域までしっかり出ていました。自分の耳では 17.2kHz が限界でしたが、「solo 2」になって「新たな音響特性を得た」という謳い文句はダテではないようです。(先代の「solo HD」との比較していないのでなんとも言えませんが)
上記記事でも紹介したトーンジェネレータで生成した Wave ファイルを Apple Lossless 形式で iTunes に取り込んでオーディオテスト用のプレイリストを作っているので、それを使ってチェックをしています。
超高域用テストトーン
超低域用テストトーン
超低音域は、さすがは「beats」という感じで、20Hzは余裕で再生。周波数をさらに下げていくと、自分の耳では 12Hz までは音として認識できました。
20Hz付近の超低域の音は、ヘッドホン/イヤホンによってはハウジングがビビリ音を出してしまうものもありますが、「solo 2」ではキシミやビビリ音も全くなく、かなり頑丈な造りのようで剛性感があります。ちなみに Audi のクルマは走行中にキシミ音など不快な音が生じないように設計されているそうですが、「beats solo 2」はちょうど「Audi A1」のような、コンパクトながら剛性のしっかりした構造に支えられた安定感のある心地よい音を聴かせてくれます。
Paul van Dyk の激烈なビートも余裕で鳴らしきります
金管楽器やピアノなど金属系楽器の響きが美しい
「beat solo 2」でいろんなジャンルや楽器の曲を聴いてみましたが、弦楽器よりも金属系楽器の音がキレイに聴こえる気がします。
まだ合計しても10時間程度しか聴き込んでおらず、エージングも充分でない状態での評価ですが、バイオリンやチェロなどのストリングス系楽器やハープなどの音はちょっと粗っぽく感じ、ブラス系の金管楽器の音が心地よく感じます。フルート、サックス、トランペットやホルンなどオーケストラの金管楽器、パイプオルガンも聴いてみましたが、どれも一様に好印象でした。
さらにピアノの音もとても美しく響きます。ピアノの弦は「ピアノ線」というように金属製なので、やはり金属系の音が美しいというのが共通点のようです。
この辺りは、エージングによって変わってくるかもしれないので、もう少し聴きこんでから後日レビューしてみたいと思います。
ピアノのイントロもブラス系のサビも気持ちよい♪
側圧が強めで遮音性が高いのはいいけど人によって耳たぶが痛くなるかも
「オンイヤータイプ」の solo2 は 先代の solo HD と比べてイヤーパッドがフラットな形状になり、低反発素材で耳にフィットする感触は良いのですが、長時間つけっぱなしにしていると人によっては耳たぶが痛くなるようです。特にメガネをしている人は要注意。使っているうちにゆるくなってくるかもしれませんが、長時間のリスニング前提ではちょっと気にしておいた方がよいポイントかもしれません。ちなみに自分はというと、慣れました(^^;
ただ、いわゆる「ブランドモノ」という点で所有欲をそそるのは間違いありません。ダンス・ミュージックやEDM、エレクトロニカ系の音楽をよく聞く人には文句なくオススメでしょう。
Apple に買収された後、公式ストアは Apple ストアになるようですが、カラバリも豊富でファッショナブルなこの1台、ヘッドホンとしては決して安い部類ではありませんが、それなりの価値ある一品だと思います。
例の「Amazon タイムセール」で実はもう1機種「定番のイヤホン」をこれも格安で入手しました。そちらのレビューはまた後日!