読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

white croquis

日々の思索のためのクロッキー帳。オーディオやオススメなども。

「MUSE Audio X5」~お手軽価格ながら力強く爽快な音質のコンパクトでハイコストパフォーマンスな USB DAC

f:id:align_centre:20140718153317j:plain

以前、3万円以下の「ヘッドホンアンプ搭載 USB DAC 比較一覧」を作りましたが、その中で、メーカーのサイトには載っているけれど Amazon で検索しても出てこなかった機種で、気になるものがありました。

それが今回取り上げる「MUSE Audio X5」です。

「PCM2704」搭載でお手軽価格のハイコストパフォーマンス USB DAC

今メインで使っている USB DAC は、以前紹介した「FiiO E07K」DACチップは WM8740, 24bit/96kHz)ですが、MUSE Audio のサイトを見ていて、16bit/48kHz の定番 DAC チップ「Burr-Brown PCM2704」を搭載したコンパクトな機種「X5」が気になっていました。

比較一覧を作った当初はまだ Amazon.co.jp には見当たりませんでしたが、時々更新のために行っているキーワード検索のローラー作戦に引っかかり、Amazon.co.jp でも取扱が始まったことに気づきました。で、お値段がなんと税込 1,980 円。

16bit/48kHz(CD音質)の「PCM2704」を搭載する USB DAC の中でもずば抜けて低価格です。そこで、「PCM2704」の音がどんなものか?という興味もあったので、試しに1つ購入してみました。

予想を見事に裏切る、例えるなら炭酸飲料のような力強くスカッと爽快なサウンド!

「1,980円の USB DAC」という時点で当初はあまり期待はしてしませんでした。しかも届いたのは、ジップロックの袋に無造作に入った包装説明書も一切なし(笑)
しかし製品自体は梨地仕上げの金属製の筐体で塗装状態もよく、かなりしっかりした重厚感ある作りです。筐体のサイズを測ってみると、どうもインチ基準で作ってあるようで、1 x 1 x 2.5 inch (25.4 x 25.4 x 63.5mm) ジャストサイズでした。

f:id:align_centre:20140718090428j:plain f:id:align_centre:20140718091041j:plain

Mac に接続するとすぐに認識。あまり期待はしていませんでしたが、まずリファレンスにしているスタジオモニターヘッドホン「MDR-Z900」をつないで聴いてみました。

驚きました。予想を見事に裏切る力強く爽快なサウンド!
音の輪郭がクッキリと際立ち、非常にクリア。例えるなら、クリスタルガイザー・スパークリング」のような爽やかで弾けるようなメリハリのあるサウンドです。

荒削りながら、今まで気付かなかったような細かい音もクッキリ聴こえ、特にギターのディストーション等のザラつき感が心地よく、ヴォーカルと楽器が見事に分離して、聴感上の解像度が高く感じます。それでいて刺さるような音や変なクセもありません。バックグラウンドノイズもほぼ皆無で、クリアなデジタルサウンドを聴かせてくれます。聴き慣れたはずの少し古い曲を聴くと、今まで気付かなかった音が聴こえたりしてきっと驚くと思います。


例えばこの曲の 2:30 辺りからのハード系サウンドが気持よく鳴ります

iPhone 付属の「Apple EarPods」との相性が抜群!しかも iPhone とデジタル接続が可能(非公式)

次に、iPhone 5c に付属の「Apple EarPods」で聴いてみました。(Apple EarPods にはシリコーンカバーを装着すると、ズレにくくなると同時に低音がしっかり聴こえるようになります)
結果は大正解。

Apple EarPods で聴いていることを忘れるような、ワンランク上の音になります。音のディティールがクッキリしてレスポンスが良く、低域の量感も充分かつ個々の音が埋もれることなく分離して細かな音までよく聴こえます。音量は Mac/PC 側でコントロールしますが、「Apple EarPods」なら充分な音量が得られます。Apple EarPods との相性はかなりよさそうです。

他に、final audio design の BAイヤホン組み立てキットでも試してみましたが、相性という点では、Apple EarPods の方が優っている感じです。

ここでふと思い立って、iPhone 5c に Lightning USB カメラアダプタを介して接続するとどうなるか?試してみました。

f:id:align_centre:20140718095901j:plain

すると、なんと全く問題なく Lightning のバスパワーのみでデジタル出力・再生できました。小型でシンプルであるがゆえか、消費電力はかなり少ないようです。ちなみに、上の写真は、「変換名人」の USB A - USB B の変換プラグを介した最短接続の構成です。

変換名人 USB変換プラグ USB-Aオス-USB-Bオス USBAA-BA

変換名人 USB変換プラグ USB-Aオス-USB-Bオス USBAA-BA

このまま、外に持ち出して使える状態です。iPhone 側のバッテリの消費もそれほど激しくはないようで、音質も Mac/PC に接続した際と同様のくっきりクリアサウンド。低音もしっかり出てノイズもないので iPhone 直挿しと比べると劇的にグレードアップした印象を受けます。(ただしリモコンやマイクは使えなくなりますが)

気になる中身は一体どうなっている?

外観を見てもわかるように、この製品、8個所をネジ留めしてあるだけのシンプルそうな筐体です。開けてくださいと言わんばかりなので、ネジを外してみました。

f:id:align_centre:20140718130610j:plain

中は至ってシンプルでした。 電子回路にはあまり詳しくありませんが、オペアンプIC等は使われておらず、水晶発振子と PCM2704 が中心にあり、DACからのアナログ出力をストレートに出しているだけのように見えます。(詳しい方、分析希望)

f:id:align_centre:20140718130906j:plain

同じ PCM2704 を使用したものに、共立電子ミニUSB-DAC PU-2111という製品がありますが、それと比べても圧倒的にシンプルでサイズも一回り小型です。MUSE Audio X5 の音は、PCM2704 の「素」の特性に近いのではないでしょうか。

ミニUSB-DAC PU-2111

ミニUSB-DAC PU-2111

f:id:align_centre:20140718142255j:plain f:id:align_centre:20140718140303j:plain

筐体は、縁に凹凸の溝があり、噛み合ってはまるようになっており、基盤は筐体内側の溝にハマっているだけです。iPhone 等と接続して使う場合は、基盤だけ取り出してもう少し小さなケースに入れてもいいかもしれません。

外に持ちだしてカジュアルに使いたいコストパフォーマンスの高いDAC

基本的には、Mac や PC と接続して使う USB DAC ですが、クリアでメリハリのあるサウンドなので、Lightning USB カメラアダプタなどを使って外に持ちだして使いたいと思わせる DAC です。

そして、何よりもこの値段。MUSE Audio X5(税込1,980円)と Apple Lightning USB カメラアダプタ(税込3,132円)をあわせて買っても5千円ちょっとなので、iPhone 付属のイヤホン「Apple EarPods」からグレードアップしたいという方には、一度このDACを試すことをオススメしたい程です。カラバリも豊富なので、プレゼントにもよいかもしれません(ただし包装が包装なのでw、自分でラッピングする必要があるでしょう)。

MUSE Audio X5 の音を聴いたあとに、ふと FiiO E07K の音を聴いてみると、さすがはハイレゾ対応機だけあって繊細さや空気感は圧倒的に上ですが、どうも「優等生的な音」に聞こえてしまいます。むしろ、MP3 や AACYouTube などの CD クオリティや圧縮音源の音楽を聴くには、X5 の方がアラが目立たずに楽しめるんじゃないかと思える、そんなDACです。ちょっといいお店のランチ代程度で買えてしまうのので、1つ持っておいて損はないと思います。オススメです。

追記

Amazon では売り切れてしまったようですが、楽天にまだ少し残っているようです。(2014.8.4)