おそらくこの状況に遭遇するのは、日本国内でパソコンのOS言語設定を英語表示にして使っているという、レアケースだけだと思いますが、備忘録的に書いておきます。
国内の音楽ダウンロード販売サイトとして、Apple ユーザーなら iTunes Store がメジャーだと思いますが、時々、iTunes Store にはなくて、Amazon MP3 にはあったり、同じ曲が iTunes Store より Amazon MP3 の方が圧倒的に安い!ということがよくあります。(iTunes Store で 200円の曲が Amazon MP3 では 100円とか)
Amazon MP3 でも 256kbps の圧縮率で、iTunes Store の 256kbps の AAC ともそれほど遜色ないので、そんな場合や Amazon ギフト券の残高がある時は Amazon MP3 でダウンロード購入することがあります。
そんなわけで、先日ふと久しぶりに Amazon MP3 を利用してみたら、思いもよらぬ所にハマり「購入したけどダウンロード出来ない」という状況になり、サポートに問い合わせた所、これまた思いもよらぬ方法でダウンロードができるようになりました。
Mac版「Amazon Music」アプリのアップデート後にその問題は起きた
パソコン上での Amazon MP3 のダウンロードや管理にはデスクトップアプリ「Amazon Music」を使うのですが、ふと起動した際にアップデートを促されたので、あまり気にせずアップデートしました。
Amazon で MP3 データを購入して、Webブラウザ上の [ダウンロード] ボタンをクリックすると、通常は「Amazon Music」アプリが自動的に起動してダウンロードが始まり、iTunes に追加するところまで自動でやってくれます。
この時は、「Amazon Music」は起動したものの、アップデート直後ということもあってか、ログイン画面が現れました。しかしこの時現れたログイン画面は次のようなものでした。
Amazon.co.jp で購入したはずですが、なぜか「Amazon.com にサインイン」しろという画面が表示されるだけで、ウィンドウを閉じる以外に何も操作できず、為す術がありません。
(この現象が起きるのは、たぶん OS の言語を English(US) にしている場合だけだと思います…)
実はこの時、これまで何日もかけて探したり調べたりして見つけた50曲以上の曲をまとめて購入しており、買ったのに聴けない!というのは一大事でした。
Amazon のヘルプページがこの新バージョンの「Amazon Music」の挙動に対応してない
「Amazon Music」アプリのアップデートで、明らかに挙動が変わっているのですが、ヘルプページがその変更に追い付いていない様子で、説明にあるような回避方法が使えません。
にっちもさっちもいかなくなったので、Amazon のカスタマーサービスに Web フォームから問い合わせました。
Amazon カスタマーサービスからの「まさかそんな仕様になっているとは!」という驚きの回答
結論から言うと、この問題の解決法は、
「Amazon.com へのサインインを2回失敗させると、amazon.co.jp へのログイン画面へのリンクが現れる」
というものでした。なんというバッドノウハウ!w
指示に従って、何も入力せずに2回「Sing in」をクリックしてみました。
1回目
当然エラーになりますが、もう1回「Sign in」をクリックします。
2回目
ここで初めて右下に "amazon.co.jp customer?" というリンクが現れました!
そしてこのリンクをクリックすると…
やっと出ました! amazon.co,jp へのログイン画面 \(^o^)/
しかし、こんな画面遷移があることは、UIからは一切わかりません。見事なバッドノウハウです。
Amazon Music は何の情報をもとにサインイン先の国を判別している?
そもそも、普段使っている MacOS X の言語を英語にしているのは、iTunes Store で購入した洋楽がカタカナ表記になってしまうのを回避するためでした。
そして、もちろん Mac のキーボードは US 配列仕様。学生の頃 Mac を使い始めて以来、海外のソフトを使うことが多く、ずっと US 配列で使ってきました。
さらに、自分が使う iPhone や iPad も全て英語表示にして、特にこれといった不便もなく使えています。
まぁ、こんな使い方をしてる人はよほど奇特でしょう…(自認)
ただ、Amazon Music で疑問なのは、一体何の情報をもとにサインイン先の国を判別、表示しているのか?という点。
音楽先進国イギリスの Amazon には、他国の Amazon にはない CD が売っていたりするので、Amazon.co.uk のアカウントは持っていますが、Amazon MP3 は自国の Amazon でしか購入できないようになっているようです。(以前、UK の Amazon にしかない曲を購入しようと試したらNGでした orz)
基本的には日本から Amazon.com の Amazon MP3 が利用できないという前提があるにも関わらず、Amazon.com へのサインイン画面に誘導して、画面上に他の選択肢が全く表示されないといのは、UI として NG ではないでしょうか。
画面をシンプルにしたいというのはわかりますが、それならばユーザーの環境情報や Amazon Music 起動のトリガーとなったダウンロードリンクの情報などにもとづいて、サインイン先の国を判別して切り替えるなどの処理を入れるべきではないでしょうか。Spotify のように。
Amazon MP3 では iTunes Store のようにカタカナ表示の洋楽を英語化できない!
もう一つ、以前 Amazon のカスタマーサポートに問い合わせて判明したのは、Amazon MP3 ではカタカナ表記になってしまって意味不明状態の洋楽の曲名やアーティスト名などは、英語化することができないということ。洋楽をよく聴く人には、これは耐え難いものがあります。
しょうがないので、そういう曲は iTunes Store か Beatport などで購入することにしました。
音楽の流通を阻む「国境」
「音楽には国境はない」と言いますが、特にダウンロード販売では、国境の壁にぶち当たることが多くて、とても困っています。著作権利者やレーベルの問題なのは重々承知していますが、それでも不可解なケースによく出くわします。
↓例えば今、この曲を日本から入手できる方法がなくて困ってます。
さらに、Amazon の物理的な CD では 収録曲目が書かれておらず、このボーナストラック入りかそうでないかが判別できないのでお手上げです。US版の iTunes カードを手に入れればいいのかな…?
国境の壁と乗り越えて、聴きたい音楽が自由に聴けるようになる日は果たして来るのでしょうか?