基本的に「いかにも」なビジネス誌はほとんど読まないのですが、東洋経済新報社が出している『Think!』だけは別で、かれこれ10年ほど購読しています。
- Think! | 東洋経済
"『Think!』は、仕事のスキルアップ、キャリアアップを目指すビジネスプロフェッショナルのための実践的ビジネストレーニング誌です。思考力、考える力を鍛え、ビジネスにおける問題解決、意思決定をサポートします。"
タイトルや「実践的ビジネストレーニング誌」というサブタイトルが物語るように、「考えること」に焦点を絞った雑誌で、『Think!』にはビジネスやアカデミックの第一線で活躍する一流のプロフェッショナルが寄稿しており、幅広い分野で普遍的に応用できる「思考」についての記事や連載が盛りだくさんで、なかなか読み応えのある雑誌です。
ターゲットはおそらく、『日経ビジネス Associe』では物足りない、20代〜30代のビジネスパーソンだろうと推測されますが、この雑誌を見つけた10年ほど前はちょうど20代後半の「考えること」に貪欲だった頃で、この雑誌はまさにうってつけでした。
最新号特集は「シンプルだけど、一生役に立つ 思考法と発想法」
現在書店の店頭に並んでいる最新号(WINTER 2014, No.48)では、「思考法と発想法」に焦点を当て、柔軟な思考や発想のアイディアや気づきを得られるものとなっており、デザイナーやクリエイティブな仕事をしている方々にもオススメです。
日々の多忙な仕事に撲殺されていると、なかなか立ち止まってじっくり考える時間がとれなかったりしがちですが、そんな方々にこそ必要であろう気づきがきっと得られる、そんな雑誌です。書店で見かけたらぜひ一度手にとってみてはいかがでしょうか。
大きな書店ではバックナンバーを揃えている所もあるので、バックナンバーもオススメです。
「考えること」にもっと時間を使ってもいいのでは
経験がものを言う世界では、体当たりで場数を踏んで学んでいくというケースももちろんあると思いますが、それは社会全体が成長期だったり変化がゆるやかな時代にはそれで問題はないでしょう。しかし、現在は成長期、成熟期を過ぎて社会や仕事の環境のみならず気候までも急激に変化する可能性のある時代です。
過去の経験の延長線上にない物事に直面する機会は、今後ますます増えて来るのではないかと予想されます。そうした時に役に立つのは、冷静に状況を観察して抽象化し、客観的な判断を下す思考力ではないでしょうか。前例や経験論だけでは太刀打ち出来ない問題に直面した時、できることは「考えること」と「行動すること」でしょう。
「行動すること」はすぐに目に見える変化を引き起こすので、とかく評価されやすい傾向がありますが、そこに「考えること」、すなわち「思考」や「分析」がなければ、PDCAのサイクルは回りません。「行動すること」は突発的にでもできますが「考えること」は日頃から実践していないと一朝一夕で身につくものではありません。
学校を出てから、本当の「学び」が始まる
就職したての若い頃は、「学校は学ぶ所」、「会社は仕事をする所」と思っていた節がありましたが、学校を出てからが本当の「学び」の始まりだったと気づいたのは随分後になってからでした。
学校というのは、ある意味専門分野に特化した学習を促進する場として、大変有用ですが、見方を変えれば、一旦学校を出ればもう専門分野に縛られることなく、自分の好きなことを学ぶことができるという考え方もできます。今は、インターネット上で多種多様な学術・技術・教養を学ぶ環境が用意されています。その気になれば、興味の赴くままに今まで触れたことのない分野の学びや思考を深めることができるということです。
そうした時に、ベースとなる観察力や抽象化力を中心とする思考力がある程度あるのとないのとでは、吸収の早さが違ってきます。日頃からどのように頭を使うか、困難な問題に直面した時にどうすれば解決できるか?は誰にとっても永遠の課題だと思います。
まずは、流し読みでも良質な情報源を「視界に入れる」だけでも、その蓄積によってある日突然何かに「気づく」時が来るかもしれません。
季刊誌『Think!』、オススメです。