先日、このブログで紹介した
のステレオイヤホン「KOSS The Plug」ですが、そのブーミーでこもった音を何とかできないかと、ネット上で出回っている「ギボシ改造」などの改造手法を参考にしつつ、もう少し手軽にできる方法がないかなと色々試していました。
その中で、「あるもの」を使うことで比較的簡単な加工のみで、低域の締りがよくなりクリアな音が出るように特性をかなり改善するできたので、メモしておきます。
「ギボシ改造」では何が変わっているのか
KOSS The Plug の「ギボシ改造」というのは、本機の特性であるブーミーでこもったような音を解消し、中高音域がクリアにする改造手法として、古くから知られている方法のようです。
しかし、同じ The Plug でも販売時期や輸入版/日本版とでも若干構造に差異があるようで、改造方法もそれによって異なりますが、実際の改造の内容を見てみると、大まかには、
付属のイヤーピースを取り払い、イヤホンのダクトを配線部材の「ギボシ」端子絶縁用カバーによって直径を拡大し、カナル型イヤホンのイヤーピースを取り付けられるようにする。
ということのようでした。
イヤーピースが「こもり」の原因の可能性が高い?
そこで、この「イヤーピース」が耳栓の「イヤーウィスパー」と同様の低反発素材でできている上に、巨大なものであることよって、中低域が反響しすぎてこもったような音になっているのではないだろうか?という「仮説」を立てました。
自分が持っているのは、最近「サウンドハウス」で買った直輸入版で、イヤーピースを外すと長さ12mmのプラスチックのダクトがそそり立っているだけです。
まず試しにヘッドホンのイヤーピースの根元部分に細く切ったマスキングテープを巻き付けて絞り、イヤーピースをキノコ型にしてみました。
幸いにもわが家では相方が大量のマスキンテープを所有しているので、マスキングテープには事欠きません(笑)
すると、若干中低域の「こもり」が解消され高音が出るようになってきました。
それならば、イヤーピースの体積をさらに小さくして通常のカナル型と同程度にしてしまえばさらに改善できるんじゃなかろうか?と、イヤーピースにハメて絞り込めて、かつ見た目もよさそうな材料がないかと、東急ハンズの素材フロアを歩きまわり、いくつかの部材を買ってきました。
「ハトメ」金具でイヤーピースの根元を絞り込む
そして、装着具合と音質を確かめながら、何度か試してようやくたどり着いたのが、次の方法。
イヤーピースの下の部分を若干カットして中のダクトより1mm長い13mm程度にした上で、革製品の穴加工に使う「ハトメ」金具の #500 を押し込むと、ちょうどピッタリとハマりました。さらに、耳に入れた時にハトメの「返し」の部分が耳に当たって痛いので、上から直径6.8mmの「Oリング」をはめ込みました。
イヤーピースは低反発素材ゆえか、カッターナイフでは全く切れず、細く絞った状態でハサミでカットし、しばらくして形が戻ったあとでフチをきれいに切り揃えました。
KOSS The Plug「ハトメ装着」版
そして出来上がったのが、こちらです。
ハトメの金属のおかげで高級感が出て、何も知らなければ、「こういう製品」として売っているかのような自然な感じに仕上がりました。(^^) 最近、MacBook Pro が撮影台と化していますが…
肝心の音ですが、中低域のこもりが大幅に低減してスッキリし、中高域がクリアに出るようになって iTunes のイコライザーを使う必要がなくなりました。しかも、もともとの持ち味である重低音・超低音は健在で、ドラムやベースなども締まりが良くなった感じがします。
今回は東急ハンズで買った次の材料を使い、
- ハトメ#500N 577-21 126円(20個くらい入ってる)
- Oリング NBR P-7 2個入 6.8x1.9mm 70円
あわせて 196 円でした。
たっとこれだけのことで、劇的に音が変わったのでかなりお得感があります。
「仮説」が正しかったのかどうか、音響工学には詳しくないのでわかりませんが、一例として参考になればと思います。
いやー、プチ工作は楽しいですね。
※注意:Amazonのこの「国内正規品」は今回の作例で使った「直輸入品」とは構造が異なるかもしれません。