white croquis

思索と探索のクロッキー帳。オーディオや音楽の話題、レビューなども。

モリサワ TypeSquare の無料お試し期間終了のため blog の Webフォントを変更しました

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当ブログでは、これまで見出し部分にモリサワが提供するWebフォント「TypeSquare」の無料お試し版で「新ゴ」を使っていましたが、1/31で無料お試し期間が終了のため、少し前に blog のフォントを変更しました。

和文Webフォントを使ってみて感じたこと

昔から、モリサワの「新ゴ」と「リュウミン」が大好きで、個人的にフォントファミリーパックを買って使っているくらいで、今までは見出しに「新ゴM」を使っていました。

和文 Web フォントを実際使ってみて感じたのは、和文 Web フォントを提供するサーバーのレスポンスの問題なのか、タイトルだけブラウザ上での表示が一瞬遅れたりすることがあったり、Windows ではあるサイズ以下ではアンチエイリアスが効かずにジャギー(ギザギザ)になってしまうという点が気になっていました。

和文はOS標準で欧文のみWebフォントに

年間契約の MORISAWA PASSPORT に加入していると Web フォントが追加料金なしで使えるみたいですが、今のところ未契約なので今回はフォントを変えることにしました。
でもせっかくなので Web フォントを使って、見た目の雰囲気をOS標準でないものにしたいという思いもあります。
そこで、いくつかのフリーの和文フォントを「WOFF形式」に変換して Dropbox の Public フォルダに置いてみたりと、色々試してみましたが、フリーフォントではなかなか満足のいくものが見つかりませんでした。
そこで、和文を Web フォント化するのはあきらめ欧文のみ、すでにタイトルなどでも使っている "Google Fonts" で「混植」することにしました。

本文には以前、

Google Fonts の "Cantarell" がすごく読みやすい - white croquis

に書いたように、"Cantarell" を使っていますが、"Cantarell" の Bold は当のフォントデザイナー本人も語っていますが、充分にバランスの調整ができていないようで、大きな文字にするとバランスがよくない場合があり、文字幅も大きくなってしまうのでタイトルには使いづらい感がありました。

すったもんだで "Monda" に決定!

そこで、いくつか試して最終的にたどりついたのは、"Monda" です。

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サンセリフ体の中では、なかなかモダンクールな感じでクセも強すぎず、和文との相性もなかなかです。
ここで、従来使っていた「新ゴM」と比較してみるとこんな感じです。

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「font-weight: 700」の和文Macヒラギノ角ゴPro W6、Win:Meiryo Bold)とも相性がよく、よい感じです。また、数字の可読性がよいので、blog のサイドバーの領域もこの "Monda" にしてみました。

後から気づいたのですが、この "Monda" をデザインした方は、ブログのタイトルに使っている "Gruppo" をデザインした方と同じでした。

Windows のブラウザのフォントレンダリングが残念すぎる

普段は Mac を使っているので、Bootcamp の Windows 7 や一時期使っていたネットブック(死語)の Windows XP で確認したりしていますが、Windows でのブラウザごとのフォントレンダリングの品質にかなりバラツキがある感があります。

例えば、あるブラウザではフォントレンダリング機能を自前で持っているためか、「gdipp」を使ってOS側で MacOS 並に滑らか表示にしていてもその設定が効かないものがあったり、効くものがあったり…

また、和文初の CoolType フォント鳴り物入りで登場したはずの「メイリオ」が明らかにジャギーや線の太さのバラつきがあったりと、どうも日本語版 Windows の画面は美しく感じません。(英語版 Windows の画面はとても美しいです)

日本人のタイポグラフィ観と美意識

こうした事例を目の当たりにすると、海外のサイトと日本のサイトとのデザインの歴然とした差にも現れているように、海外の人たちから見て、日本人のタイポグラフィに対する美意識が低めに見積もられているのではないかとも思えてしまいます。

和文フォントは欧文フォントに比べると文字数や縦書の存在など敷居が高い上に、全世界での利用者数が絶対的に少ないので、単純に欧文フォントと比較してあれこれ論じるのも乱暴かもしれませんが、何かこう、日本人のタイポグラフィに対する考え方や認識は、デザイナーなど一部の人達の間では非常に高いものの、一般の人々との間には大きな溝(キャズム?)が存在しているように思えます。

今ではパソコンで誰もがタイポグラフィを扱う時代であるにもかかわらず、学校教育の中で充分に教えられていないとあれば、どこかでそうした機会をより多くの人に体験し認識してもらえるようにすることが、デザイナーの務めの一つではないかと思っています。


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