よくスローガンに「○○をなくそう」というのがある。
なくなるアテのなさそうなものでも「意識を高めるため」などとして「なくそう」と呼びかける。それ自体に全く効果がないとは言わないけど、かえって論点をわかりにくくしてしまっているんじゃないかと。
「○○をなくす」ことを考えるより、「○○をしなくて済む」とか「○○を回避する」方法を考えたほうがいいんじゃないかと思う。
「ミスをなくす」より「ミスをしなくて済む」方法を、「イジメをなくす」より「イジメをしなくて済む」方法を、「戦争をなくす」より「戦争をしなくて済む」方法を。
人類の過去の歴史の中でなくなった試しのないものを、減らすことはできても、なくそうとするのには無理がある。遺伝子操作でもして全く別の生き物にでもしない限り。それこそ「ゼロリスク神話」になってしまう。
人間は一動物種に過ぎないことをそろそろ再認識して、その上で議論したほうがいいんじゃないだろうか。