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MacBook Pro 15 (Early 2008) のHDD交換と P.Tool の万能精密ドライバー

自宅で使用している MacBook Pro 15 (Early 2008) の 250GBの HDD 空き容量が少なくなってきました。
大きなデータは NAS や外付け HDD に移動しましたが、それでも残り少なくなってきたのと、PCの HDD は過去の経験から、購入後だいたい4〜5年くらいの「冬の寒い朝」あるいは「夏の暑い日」に突然クラッシュする可能性が高いので、予防も兼ねて交換することにしました。

Core 2 Duo 2.4GHz / 4GB RAMですが、まだまだ現役で、先日 Mac OS X 10.9.3 Marvericks にバージョンアップしてからも普通に使えています。

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購入時に7200回転、250GBのHDDを選択していたので、Amazon で7200回転の2.5インチHDDを探してみると、HGST製の500GBが、5千円台と手頃になっており、7千円台の1TBと悩みまたが、この機種で1TBものデータを扱うには、メンテナンスの点からもスペック的に時間がかかることが予想されるので、必要十分な 500GB をポチりました。

購入時の内蔵 HDD は HITACHI 製だったので、後継の HGST(Hitachi Grobal Storage Technologies) 製なら安心感もあります。

MacBook Pro 15 (Early 2008) HDD移行の手順

2.5インチ用HDDケースをすでに持っていたので、今回は

  1. まず念のため TimeMachine バックアップを既存のバックアップ用HDDにとる
  2. 新しいHDDをHDDケースに入れて外付けUSB接続
  3. Option を押しながら起動して「復旧-10.9.3」ドライブから起動
  4. 新しいHDDをフォーマットして MacOS X 10.9.3 をオンラインで新規インストール
  5. OSインストール後に起動する移行アシスタントで旧HDDの内容を移行
  6. 最後に内蔵HDDを交換

という手順で行いました。

1. TimeMachine バックアップを既存のバックアップ用HDDにとる

Macを使っているなら、TimeMachineバックアップは必須です。ディスクがクラッシュしようと、SSDが飛んでしまおうと、あっという間に元の環境やデータを復元できます。あと、間違ってファイルを上書き保存しちゃった場合に上書き前の過去のデータを取り戻すのにも使えます。
Apple 純正の TimeCapsule や TimeMachine 対応NAS にとるのもよいですが、一番手っ取り早いのは外付け USB HDD です。Mac を使っていて、もしまだ TimeMachine の設定をしていなければ、今すぐにでも外付 HDD を手に入れておきましょう。

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2. 新しいHDDをHDDケースに入れて外付けUSB接続

先に内蔵HDDを交換してからでもいいのですが、環境が無事移行できることを確認してから交換したほうが確実なので、今回は外付けの状態で移行を行いました。この辺りは、外付けドライブでも自由に起動できる Mac OS ならではです。

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3. Option を押しながら起動して「復旧-10.9.3」ドライブから起動

MacOS X 10.7 Lion 以降では、OSをインストールすると、起動時に Option を押しながら起動(起動するボリュームの選択画面表示)すると、「復旧 - 10.x」という復旧用のボリュームが作られるようです。
先日、10.6 から 10.9 にバージョンアップしたので、「復旧 - 10.9.3」を選択して起動します。

4. 新しいHDDをフォーマットして MacOS X 10.9.3 をオンラインで新規インストール

「復旧 - 10.9.3」から起動すると、OSのインストールやディスクユーティリティなどのメニューが表示されます。

当初は、ディスクユーティリティの「復元」機能を使って旧内蔵HDDから新HDDへまるごと移行させようとしましたが、途中で I/O エラーがでてしまったので、外付けHDD を新しく「Macintosh HD」としてフォーマットして、新規OSのインストールを行うことにしました。新規クリーンインストールを行ったほうが、たまったゴミファイルを引き継がなくて済むので、移行後もメリットが有ります。

途中で無線LANアクセスポイントへの接続と、AppStore の Apple ID の入力を求められるので、それぞれ入力し、あとは画面に従ってインストールを進めるだけで、最新の MacOS X 10.9.3 がインストールされます。
OSのインストール自体はそれほど時間がかからず、Windows で言うところの Windows Update も最新のものが当たった状態でインストールされるので、インストール後に Windows Update の苦行がないというのはとても楽です。

初めは、MacOS X のディスクから起動しないといけないかと思って、念のため MacOS X 10.6 のディスクを用意していましたが、OSのディスクは全く必要ありませんでした。OSが無料というのは素晴らしいですねー!

5. OSインストール後に起動する移行アシスタントで旧HDDの内容を移行

OSのインストールが終了すると、データ移行方法を選択する画面が出てくるので、移行元に「内蔵HDD」を選択し、移行を開始します。もし内蔵HDD/SSDがクラッシュした場合などは、ここで TimeMachine バックアップを選択することも出来ます。

移行対象のデータは140GB程。しばらく時間がかかりそうで、手近に手頃なベンゼンがあったので、冷却を兼ねてベンゼン環にHDDを載せてしばらく放置。

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夜、涼しかったので近くの公園で40分程度ウォーキングして戻ってくると、「あと数分」の調度よい感じでした。
無事移行が完了し、移行先の外付けにしたHDDから起動し、元の環境やデータが引き継がれているのを確認できました。

ここまでのOSインストール 〜 データ移行作業の所要時間は、およそ3時間程度でした。

6. 最後に内蔵HDDを交換

新しい内蔵用 HDD が出来上がった所で、いよいよ HDD の交換作業を行います。

このモデルは「アルミユニボディ」になる前の最後のアルミモデル(筐体は2006年モデルとほぼ同じ)なので、次の記事を参考に分解していきます。

ASCII.jp:難易度はやや高め!? MacBook ProのHDD&光学式ドライブの交換手順

「難易度はやや高め!?」などと書かれていますが、過去に Panasonic Lets's note の冷却ファンを交換したことがあるので、それに比べれば屁でもない雰囲気です。

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もう二度とやりたくない Let's note の分解。150個くらいのビスを外して片道2時間コースでした…

さらに今回は、こんなこともあろうかと用意しておいた秘密兵器を登場させました。それは…

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ジャーン! P.Tool の「差替式マイクロ精密ドライバー」。

「+」「−」はもちろんのこと、MacBook によく使われている「トルクス」、「六角」など計30種類のヘッドをグリップに内蔵して差し替えることができ、さらに軸は70mmまで伸縮可能&左右ラチェット機構付、というフル装備!
大抵の電化製品や精密機器はこれ1本あれば分解・組立てできてしまうというスグレモノです。実際、今回の MacBook Pro のHDD交換に際して、プラスネジの他にトルクスネジが何箇所がありましたが、これ1本で全て事足りました。

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1家に1本、必需品です。「これは!」と思った貴兄は今すぐ Amazon

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パソコンを分解するときのオススメTips

パソコンなど複雑な構造の機器を分解する際、「外したビスやネジをどうするか?」については人それぞれ方法はあると思います。
ただ、場所によって長さなど規格が違っていたりすることが多いので、紙の上などに対応する位置にマスキングテープで貼り付けると、無くすことも忘れることもなく、対応するビスやネジを確実に元の場所に戻すことが出来るのでオススメです。

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HDDの厚さは 7mm でも OK だった

ビスを全て取り外し、キーボードを外すとこんな状態です。HDDは左のパームレストの位置にゴムのクッションが取り付けられた状態で装着されています。

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HDDを取り外したところ。

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もともと入っていた HDD は厚さ 9.5mm、今回交換する HDD は厚さ 7mm ですが、上の写真のようにHDD側面のビス穴にタイヤのようなダンパーがビスで取り付けられた状態で固定されているので、9.5mm以下なら厚さは問わないようでした。

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HDDを交換した後、一旦、キーボードとバッテリを取り付けてMacを起動してみて、問題ないことを確認し、再度バッテリを外してビスを取り付けて組立て、HDD交換は無事完了しました。

機器を組み立てる際にビスやネジを取り付けるときのTips

電化製品や精密機器全般に言えることですが、機器を分解後、組み立てるために、外したビスやネジを順に締めていきますが、2つの原則があります。

  1. いきなり右(締める方向)に回さず、一旦左(緩める方向)に回して、「カタンっ」と音や手応えがあったところから右に回して締める。
  2. 初めからきつく締めず、なるべく対角で徐々にトルクをかけていく

2 については、中学校の技術の授業などでも習ったかもしれませんが、機器の個体差などでたわみやゆがみが生じることもあるため、初めは緩く仮締めをして、最後に対角方向で交互に必要なトルクをかけて締めていくのがベターです。

1 は、初めて聞いた人も多いかもしれません。自分も大学時代に電子工作が得意な友人に教えてもらうまで知りませんでした。
これは、特にネジの受け側がプラスチックや削り出しのアルミなど柔らかい金属等の場合、いきなり締めるとネジによって受け側を削ってしまい、ネジ溝を舐めてしまうのを防ぐためです。
さらに、万一ネジや受け側の金属が削られれてしまうと金属粉が発生して、ショートなど故障の原因になる可能性もあるので、その防止にもなります。

左に回して「カタンっ」と音や手応えがあったところがねじ溝の入り口なので、そこから右に回して締めていけば軽い力でスムーズに締められます。力づくで回さないと入っていかないというのは、ねじ溝を削ってしまっている可能性があります。

ネジを締める時はまず「左にカタンっ」 をぜひ覚えておくことをオススメします。

HDD交換後の動作など

最初の起動時に、常駐する Dropbox の設定が初期化されるようで、ログイン画面が表示されました。ローカルにはデータがあるので、クラウド側と整合性をとるためか、最初にファイルのインデックス作成が始まりました。EvernoteClamXav、Xmarks、1Password はそのまま引き継がれて問題なし。
他は、Microsoft Office 2011 がライセンスの再認証を求められたのでプロダクトキーを再入力した他、プリンタが未登録で空の状態になったので、プリンタドライバを再インストールして登録し直しました。

Adobe CS5 の認証はそのまま引き継がれたようで、初回起動時に Java ランタイムのインストールが走った以外は何も出ずにそのまま使用でき、モリサワフォントやフォントワークスLETSのフォントもそのまま問題なく使えました。(フォントがFD認証だった時代は、HDDの交換はATMフォントの再インストールで1日仕事でしたが、いい時代になりました) あと、TimeMachine の設定はそのまま引き継がれますが、最初にフルバックアップが走るようです。

もともと 7200 回転の HDD だったので、SSD のように劇的な高速化はありませんが、バッファと空き領域が増えたので、複数アプリを起動した状態でのキャッシュ読み書き?が速くなったような気がします。
HDD は個体によってシーク音がする/しないの当たりハズレがありますが、この個体はとても静かで当たりでした(^^)

今回は、BootCamp の Windows 7 は新規に入れ直すことにしたので、まだ Windows Update 苦行が待っています。やっぱり Windows は面倒臭い…

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