まず、「OpenSSL の Heartbleed 問題」については前回の記事をご参照ください。
今回はデザインの観点から。
Heartbleed 問題の情報を集約している "heartbleed.com" のWebサイトは、白地に細めのサンセリフ体、そして赤い "Heartbleed" のシンボル、と病院を思わせるような色使いの、クールでシンプルな雰囲気のレスポンシブデザインになっています。
そして、このサイトで使われているフォントを調べてみると、Google Fonts で提供されている "Lato" というフォントでした。(下の画面は "What Font" という Google Chrome 拡張機能で表示した画面です)
ポーランド語で「夏」を意味する "Lato"
"Lato" をデザインしたのは、ポーランド出身のタイプ/グラフィックデザイナーの Łukasz Dziedzic 氏。
ポーランド語で「夏」を意味するこのフォントは、2010年の夏にイタリック体と含む5ウェイトのサンセリフ体としてデザインされ、同年の12月に Google Fonts にてオープンソースライセンスの下で提供開始されたようです。
Google Web Font で表示してみると、次のようになります。
Lato family
Fluffy white croquis 0123456789
Fluffy white croquis 0123456789
Fluffy white croquis 0123456789
Fluffy white croquis 0123456789
Fluffy white croquis 0123456789
名前の通り、夏らしくスッキリしたラインで、特に「t」など拡大すると丹念にデザインされていることがわかります。
可読性にも優れた美しいフォントです。
heartbleed.comドメインは4月5日には取得されていた
ちなみに、"heartbleed.com"を立ち上げたのは、当該ページの一番下にリンクがありますが、フィンランドに本社を置き、世界各地に拠点を持つテストツール/ソリューション企業の Codenomicon 社のようです。
whois で調べてみると、ドメイン自体は 2014/4/5 の時点で取得されています。4月5日の段階ですでに問題が明らかになり、情報公開に向けた対応が開始されていたことが伺えます。
Domain Name: HEARTBLEED.COM
Creation Date: 2014-04-05 15:13:33
Registrant Organization: Codenomicon Oy
Registrant Country: Finland
実に素早い対応と情報の集約と公開、随時更新の姿勢は賞賛に値します。
緊急時や有事に Web サイトをこのようにサッと立ち上げるというのは、日本ではなかなかお目にかかったことがありません。前回の記事でも指摘しましたが、1週間たっても未だに日本の対応状況を集約するサイトが見つからない状況です。
「緊急時にいかに適切に必要な相手に情報を適切なタイミングで提供できるか」はどの国や組織でも常に課題ですが、現に海外では当たり前のようにそれが行われているのを目の当たりにし、日本の常識は世界の非常識ということを痛感しています。