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ポータブル USB DAC「DENON DA-10」レビュー 〜第1回:到着・ファーストインプレッション編

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今年1月の記事をきっかけに、「USB DAC」に改めて魅了され、その素晴らしさをより多くの人に伝えるべく、エントリークラスの機種を中心に実際に購入してレビューしたり、比較一覧を作って日々更新したりして、最新機種の動向を追ったりしているのですが、今回、もうワンランク上のポータブルヘッドホンアンプ搭載 USB DAC をお借りして試用レビューをする機会を得ました。

今回、試用レビューするのは、DENON(デノン) が 10/10(金) に発売したばかりの「DA-10」。DENONとしては初のポータブル USB DAC になります。

ことの経緯は、オーディオ情報のポータルサイトPhile-web(ファイル・ウェブ)」さんで DENON の新製品「DA-10」のモニターを募集しているのを見つけ、「これは」と応募してみたところなんと当選し、貸出機が送られてきたというわけです。

DENON DA-10」の立ち位置

実売価格では4万円強と、決して安くない価格ですが、この価格帯には先行する「SONY PHA-2」「JVC KENWOOD SU-AX7」「FOSTEX HP-P1」など、国内メーカーからいくつもの機種が投入され、今や激戦区になっています。

そうした事情もあってか、各社とも据置型のハイエンド機で培った技術を惜しみなく投入し、コストパフォーマンスに優れた機種が多いのもこの価格帯の特徴で、例えば DENON の場合、50万円近くするハイエンド機に使われている技術がそのまま搭載されていたり、中身を知った上で改めて見てみると、価格以上の性能を持つ戦略的な機種という位置づけが見えてきます。

また、USB DAC は CD プレイヤーのようなメカニカルな部品がほとんどなく、昨今話題のハイレゾオーディオプレイヤーのように、機能面で陳腐化することもあまりないため、多少いいお値段のものを買っても長く使えるというのもポイントかもしれません。 (実際、今年の1月にこのブログで取り上げた USB DAC は 10 年以上前に買ったものですが、今でも何の不具合なく動作しています)

iPhoneも一緒に入れられる専用ケースが付属

DA-10 は「10」に合わせたのか、10月10日の発売日に、シンプルな箱で届きました。

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箱を開けると、クイックスタートガイドと本体が収まっており、トレーの下には付属品が入っています。

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箱の中のものを全て取り出して並べるとこんな感じ。

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ポータブル USB DAC ということで、iPhone/iPod との接続ケーブル(Dockコネクタ、Lightningコネクタ用)の他、本体と iPhone をあわせて入れられる専用のキャリングケースが付属しています。

ポータブルヘッドホンアンプは、iPhone などとゴムバンドで留めるというのが一般的ですが、本体とiPhoneなどのプレイヤーをあわせて保護できる専用ケースがついているというのは、カバンの中にそのままゴロンと放り込めるという点で使い勝手が良さそうです。

また、ステレオミニのライン入力端子もあるため、アナログのヘッドホンアンプとしても使えるようになっていますが、付属のL型ステレオミニプラグが錆びにくい金メッキじゃないのはちょっと意外でした。(FiiO E07K でも金メッキのケーブルが付属していたので)
このクラスの製品を買うユーザーは、おそらくサードパーティー製の高級ケーブルを使うだろうという思惑があって必要最小限に留めているのかもしれません。

丁寧に仕上げられた「上品さ」を感じる本体

本体は、ややマットなブラックのプラスチックの筐体の上下を梨地仕上げとヘアライン仕上げを組み合わせたアルミで挟んだ形になっています。梨地仕上げ部分の周辺部とヘアライン仕上げの天板部は、初めは別の部品かと思っていましたが、メーカーサイトによると1枚のアルミでできているようです。表面仕上げにもなかなか凝っています。

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一見して他社製品と比べ、いかにもな「メカメカしさ」「ゴツさ」がなく、上品な高級感を感じます。メーカーも「ユニセックスなデザイン」を意識しているようで、音質面以外でも他社製品と差別化ができています。これなら女性にも受け入れられやすそうなデザインです。

ちなみに、6箇所ある黒い部分はラバークッションで、上下両面にあり、どちら向きに置いても安定し、iPhone/iPod やポータブルプレイヤーを載せてもしっかりホールドできるようになっています。

全ての音が心地よく感じるクセの少ない素直な音

まずは MacBook Air に付属の USB - microUSB ケーブルでつなぎ、iTunes + Audirvana Plus で音を聴いてみます。DA-10 はボリュームつまみが電源スイッチを兼ねています。ヘッドホンは、まず普段リファレンスとして使っている SONY の往年の銘機「MDR-Z900」を使用。

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一聴してすぐに感じたのが、揺るぎない安定感と高解像度、音像定位の正確さ。奥行き感、空間の広がりがはっきりと感じられます。普段1万円前後のエントリークラスのオーディオ機器で音楽を聴いている耳にとっては、今まで体験したことのない極上の音でした。

そして、POPS や JAZZ から器楽曲、クラシック、Trance や EDM まで、様々なジャンルの曲を聴いてみて感じたのが、「あらゆる音が心地よく聴こえる」ということです。
音が刺さることもなく、うるさく感じることもなく、機器固有の「クセ」のようなものがほとんどなく、非常に聴き疲れしにくい音です。

相方(30代前半主婦)にも聴いてもらいましたが、「これはスゴイ」と興奮気味でした。

普段から高級オーディオ機器を聴き慣れている方には、物足りない部分があるかもしれませんが、普段 iPhone 付属のイヤホンで音楽を聴いているような「普通の人」が聴いたら間違いなく聴いて驚く音です。しかもハイレゾ音源ではなく、AAC や MP3 などの圧縮音源で感動できるのです。

ヘッドホン/イヤホンの素性がさらけ出される

ヘッドホンを変えて聴いてみると、どうやらヘッドホンやイヤホンの特性や音の特徴がよく出るようで、ヘッドホンの素性がさらけ出されるように感じます。

気づくと、わが家には10種類くらいのヘッドホン/イヤホンがあるようなので、この辺りはもう少し時間をかけてじっくりと聴き比べていきたいと思います。

感動は「USB DACハイレゾ」という事実

DENON DA-10」を使ってみて改めて強く実感したのは、音楽を高音質で聴く感動は、「CD音質→ハイレゾ」よりも「PCやスマホのヘッドホン端子→USB DAC」の方が遥かに大きいということ。

音楽/オーディオ業界は「ハイレゾ! これからはハイレゾ!」と盛んに喧伝していますが、実は「USB DAC 」を使うだけで「ハイレゾ音源」を買って聴く以上の感動が得られ、しかも、改めてハイレゾ音源を買うこともなく、すでに持っている MP3、 AAC などの圧縮音源、さらには YouTube 動画も見違えるような高音質で聴くことが出来てしまうのです。

ハイレゾ音源は1曲のデータサイズが圧縮音源の数十倍〜百倍近くにもなり、再生できるプレイヤーも限られ既存の音楽データと管理を別にしないといけなかったりと、「使い勝手」という面ではマイナス面が目立ちます。
個人的には、これからは「ハイレゾ」よりも「USB DAC」の時代ではないかと思っています。

今後のレビュー予定

今回は「DA-10」を 2週間弱お借りできることになっているので、今後、様々な条件や利用シーンを想定して使ってみた感想を何度かレビューする予定です。お楽しみに〜♪

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同じく、モニターレビューされている MacBS さんのレビューもあわせてご覧ください

競合機種

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