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思索と探索のクロッキー帳。オーディオや音楽の話題、レビューなども。

『DigiFi No.16』付録のハイレゾ DAC を聴いてみた 〜雑誌の付録と侮れない高音質♪

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以前、予告編として

という記事を書きましたが、11月25日の発売日に無事ゲットして早速試してみました。
(すぐレビューをしたかったのですが、ほぼ同時期に海外通販で届いた機器の初期不良の対応に時間とエネルギーを費やしてしまったので、ちょっと出遅れました;)

同軸デジタル接続と基板直結の音質の違いは?

同軸デジタル接続編

今回は No.15の USB DDC と No.16 の DAC を接続した状態でテストを行っています。(他に同軸デジタル出力のある機器がないので)
No.15の DDC先日作ったケースに入れてあるので、まずは同軸デジタルケーブルで接続してみました。電源供給用のUSBケーブルは、とりあえず手近にあった100均で買ったものを使用。同軸デジタルケーブルは、サウンドハウスで買った純銀コートケーブル「ZAOLLA Silverline」の30cmです。

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早速 MacBook Air (MacOS X 10.9)に接続し、Macでは定番のハイレゾオーディオプレイヤーソフト Audirvana Plus 2.0 で聴いてみました。
まず、一聴して驚きました。これは雑誌の付録でいいのか?と思ってしまう程の意外な好音質。ケースがない分、1万円以上の市販のUSB-DACと比べても遜色ないかもしれません。

やや硬質ながらも音がとてもスムーズに出る感じで、高域が刺さる感じもなく低域もしっかり出て帯域バランスもよく、とても聴きやすい音です。
特にハイレゾ音源ではその持ち味がいかんなく発揮され、ピアノなどの音も瑞々しく、まさにハイレゾ入門にはうってつけという感じ。CD から FLAC 形式で取り込んだ音源を Audirvana Plus で88.2kHz/24bitにアップサンプリングした場合も、アップサンプリング前と明らかな差が感じられます。

基板直結接続編

次に、本付録の特徴でもある、No.15とNo.16 の基板を直結した状態で聴いてみました。

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こちらもなかなかの高音質で聴かせてくれますが、同軸デジタル接続と比べるとより硬質な感じで若干の粗さを感じました。例えて言うならば、基板直結の場合は「コットン」、同軸デジタル接続の場合は「シルク」の肌触りといった印象。
DDCの方はアルミケースに入れているので、その影響もあるのかもしれませんが、後述するちょっとした問題もあって No.15 をアルミケースに入れていない状態での比較はしていません。

いずれにしても、DDCDAC をそれぞれ別のケースに入れようと思っているので、今後は必然的に同軸デジタルケーブルでの接続になる予定です。

ちなみに、上の写真を見ると分かりますが、ステレオサウンドオンラインストアで販売されている「サンプリング周波数/ビットレートLED」も結局手に入れてしまいました(笑)

ただ、サイズ的な問題でそのままでは先日作ったアルミケースには入らないので、そこは秘策を用意しています。これは後日DAC用のケース製作時にあわせてやってみようと思っています。

No.16 DAC用のケースとボリュームツマミは準備済み

No.15のDDCと、No.16のヘッドホンアンプ搭載DACは、基板サイズや実装部品の高さがほぼ同じなので、No.15 と同じケースが使えるだろうと予想し、ボリュームツマミの寸法も先に出ていた画像などから推測して事前に準備していました。貼り付けボスは No.15 用に買ったもの(10個入)が余っていたのでそのまま利用。

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やはりボリュームツマミをつけるだけでも操作性が格段によくなります。
樹脂製の簡易的なものでもいいから付録につけてくれるとよかったのになーと思います。

ヘッドホン出力はちょっと弱い?

ボリュームつまみをつけるとボリューム位置がわかりやすくなりますが、Shure SE215 の場合で、普通の音楽はボリュームが10時〜1時の位置くらいで調度よい感じ、クラシックになると、2〜4時の位置まで回さないとソロパートがしっかり聴こえません。
そのため、ハイインピーダンスのヘッドホンを接続した場合は充分な音量をとれないかもしれません。

ただ、USBバスパワー駆動である点、主なターゲットはエントリー層が想定として考えると、実用上は出力は充分で問題ないんじゃないかと思います。(高価なハイインピーダンスのヘッドホンを使う方はそれなりのヘッドホンアンプをお持ちでしょうし)

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"Scheherazade, Op.35 - The Young Prince & The Young Princess" 再生中のボリューム位置↓

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使用/仕様(?)上注意すべきハマりやすい点

No.15(DCC)とNo.16(DAC)間の同軸ケーブル差し替え時に一時的に音が出なくなる?

前述のように、当初、No.15(DDC)とNo.16(DAC)を同軸ケーブルで接続してテストし、これを基板直結に変更するにあたり、MacからUSBケーブルを外した上で同軸デジタルケーブルを外し、基板直結にしたところ、当初DACから音が出ませんでした。

サンプリング周波数/ビットレート表示LEDを取り付けてあったので、DDCでは入力ソースに応じて該当するランプが点いたりしてDDC側は問題なく作動しているようなので、DAC側に原因がありそうな雰囲気。

この問題は、その後同軸デジタルケーブルを別のものに挿し替えて比較しようとした際にも生じ、ケーブルを全部外して順次接続しなおしても音が出ず、かなり焦りました。で、最終的に回避策としてたどり着いたのが、ケーブルを差し替えたら「数分放置する」ということ。

音が出なくなった No.15(DDC) と No.16(DAC) を、通電しない状態で数分間放置してからUSBケーブルをMacに接続したところ、すんなりと音が出ました。

その後 Stereo Sound 社公式 Facebook ページに「音がでない場合のチェック項目」というのがアップされていたので、この現象をコメントとして書き込んだところ、回答があり、

「USBケーブルの抜き差しは、付録基板への通電をカット(基本的にはパソコンの電源を落とす)してから行なわないと、動作が不安定になることがあります。」

とのこと。

『DigiFi No.16』P.20 の注意書きには「本付録への電源供給を切ったうえで行ってください」とありますが、「基本的にはパソコンの電源を落とす」とは昔のSCSIを彷彿とさせます。他の USB DAC 等ではあまり経験しない現象なので、これはハマりやすい問題なんじゃないでしょうか。

おそらくは No.16(DAC) のコンデンサに溜まった電荷が放電するまで待て(だいたいパソコンのシャットダウン/起動にかかる時間?)ということなんじゃないか?と素人ながら推測していますが、ハイレゾオーディオ初心者もターゲットにしている以上、放電/リセットボタンでも付けたほうがいいんじゃないかと思えます。

しかし、最近の SSD 搭載パソコンはシャットダウンも起動も早く、例えば今使っている MacBook Air ではシャットダウン開始からシャットダウン→電源ボタンを押して起動完了まで30秒もかからない程度なので、それくらいの時間ではあまり効果はないと思います。(実際、上記問題に直面した段階で Mac も何度かシャットダウン/起動していますが、この問題は解決されませんでした)条件によって異なると思いますが、体感では3分〜5分程待つと復帰してくれるようです。

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出典:StereoSound社のFacebookページより

同軸/光デジタル入力の切替は基板上のジャンパピンで行うため、ケースに組み込む場合は注意!

No.16のDACには外部入力として「同軸デジタル」と「光デジタル」コネクターを備えているものの、その切替は基板上のジャンパーで行う必要があり、そのままではケースに組み込んだ後に外から変更することが出来ません。

自作ケースを作る際にはジャンパピンのピンヘッダに切替用のトグルスイッチをつけようかと思っていますが、ステレオサウンドオンラインストアで販売されている、本体よりも高価な専用ケースを購入される方は予め留意しておいた方がよいでしょう。

RCA出力はボリューム連動

これは当然といえば当然ですが、来年2月発売予定の No.17 のデジタルパワーアンプと接続することが前提になっている関係上、No.16 のRCAアナログ出力は、ボリュームと連動します。プリメインアンプなどに接続して使う場合は、ボリュームをMAXにした方がよいでしょう。

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日本全国どこででも手に入る、総合的には満足度の高い品

雑誌の付録という形で、DDC/DAC分割など、コスト面でも仕様面でも目一杯のラインで作られていると推察されますが、ケース等がない分、No.15+No.16 を組み合わせた価格以上のクラスに匹敵する性能は実現できているんじゃないかと思います。

都市部に住んだり通勤/通学されている方は、電気街に行けばあらゆる機器が手に入ったり実機の試聴ができたりしますが、雑誌の付録という形で書籍の流通網を使うことで、日本全国どこででも書店さえあれば誰でもハイレゾ対応 USB DAC を手軽に手に入れることができる、というのは大きなメリットでしょう。ちなみに、自分は No.16 をたまっていた「図書券」で買いました(笑)

今朝のNHKニュース「おはよう日本」でも取り上げられるなど、最近は「ハイレゾ」という言葉を目や耳にする機会も多いので、ハイレゾに感心を持っているけどまだハイレゾを自宅で体感したことがないという方には、書店で入る手軽さや雑誌で詳しく使いこなし方の説明もあり、オススメの品だと思います。

USB DDCDACセット

テスト用ハイレゾ音源はこれがオススメ

あわせて買いたい

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