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思索と探索のクロッキー帳。オーディオや音楽の話題、レビューなども。

SDカードの規格が複雑すぎるので一覧表を作ってみた

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「SDカード」vs「メモリースティック」の闘いに勝ち抜き、デジカメや携帯電話の記録メディアとしてすっかり定着した SDカードですが、ふと気づくと、規格がどんどん拡張され「SDHC」やら「SDXC」、さらには「UHS-I」や「スピードクラス」、「UHSスピードクラス」など、新しい用語が続々出てきて何が何やら…という様相を呈しています。

そこで、今現在規格化されている範囲で SDカードのバリエーションと用語の関係をグラフィックに表してみました。 デジカメやビデオカメラのスペックに対して、実際の所どのカードを買えばよいのか参考になれば幸いです。

より正確な情報や規格の詳細については下記が参考になります。
今回の表を作るにあたって、各規格用語の違いや何年に規格化されたかなどを調べるのが大変でした。

SDカードの「SD」の2つの意味

SDカードの規格を策定しているのは、パナソニックSanDisk東芝からなる「SD Group」が率いる「SD Association」です。
もともと、SanDisk が MMC (Multi Media Card) という、現行のSDカードとほぼ同じ大きさでやや薄いメモリーカードを作っていましたが、折しも音楽のデジタル化の波が到来し MMC には著作権保護の仕組みがなかったため、音楽業界のニーズに応えて現パナソニック東芝SanDisk と共同で「SD規格」として規格化、2000年にリリースしました。

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ところで、「SD」は公式な説明としては "Secure Digital" の略ということになっていますが、「SD」のロゴマークは、実はSDカードが登場する数年前にすでに存在していました。

それを物語るのが下の写真です。

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東芝:プレスリリース (1995.11.7)
(出典:東芝プレスリリース)


当時、現在の DVD の規格策定に際して、松下電器(当時)と東芝の「SD:"Super Density Disc"」陣営と、ソニーとフィリップスの「MMCD:"Multi Media CD"」陣営とで規格争いをしていました。
最終的には両者の折衷仕様の「DVD:"Digital Versatile Disc"」が生まれ、VHS vs. Beta の二の舞いは避けられたわけですが、松下・東芝の「SD」陣営は「SD」への思いを捨てきれなかったのか、どういうわけかこの新しいメモリーカードの規格ロゴに、往年の "Super Density Disk" のロゴマークをそのまま使ってしまったのです。「SD」のロゴマークの「D」が「光ディスクっぽい形」をしているのはそのためなのです。

最近あまり見かけない「miniSD

機器の小型化が進んで、2003年に「miniSD」が登場、2005年には更に小さな「microSD」が登場したのは御存知の通り。 しかし、現在良く見かけるのは、通常サイズの「SD」カードと、携帯電話などによく使われている「microSD」が主流になっているようです。また、最新の「SDXC」規格では実際に製品として出ているのは通常サイズの「SDXC」と「microSDXC」のみで、「miniSD」は「miniSDHC」止まりのようです。
確かに「miniSD」は中途半端な大きさだったのかもしれません。

SDカードの今後は

SDカードは、規格上は 4K 映像の記録にも対応した仕様(SDXC UHS-II UHS Speed Class 3)が策定されていますが、現時点ではまだ実際の市販製品としては出ていないようです。
家電メーカーが盛んに謳っている「4K 時代」が本当に来るのか、ちょっと懐疑的ですが、少なくとも SD カードは当面、カード型記録メディアの主役の座に座り続けるのでしょう。

今では、家庭用ビデオカメラに SDHC Speed Class 6 などのカードをセットしてフル HD 画質の動画を撮影できるのが普通になっていますが、家庭用ビデオカメラほど記録メディアが次々と変わった機器はないんじゃないでしょうか。

そう考えると、10年後、SDカードはまだ残っているのか、20年後、30年後・・・と、記録メディア、あるいは「記録や保存という概念」自体がどう変わっていくのか、興味が尽きないところではあります。


追記:
ちょっと興味深い資料を見つけました。

映像情報メディア学会誌 Vol. 65 (2011) 標準化現場ノート 第11回 SDカード標準化の歩み

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SDカードスロット搭載の Windows Vista/7/8 ノートPCでは、ReadyBoost 用にもオススメです。

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