数年前、本屋で衝動買いした、人生を変えたかも知れない一冊。
人間は表象の言葉(記号)ではなく実はメタファーでコミュニケーションや思考をしているという話。『ユーザーイリュージョン―意識という幻想』に出てきた「会話の木」にも通じる考え方だ。
特に、「イメージスキーマ」の概念は目からウロコ。なるほどねー。
普段、対象そのものを指していると思って使っている言葉のほとんどが、実はメタファー(隠喩)、メトニミー(換喩)、シネクドキ(提喩)として説明できるというのはちょっとした衝撃だった。人間は言葉を字面や文法で理解しているわけじゃないということに確信が持てた。
認知心理学や認知科学、情報学とも関わりの深い、言語の本質を解き明かす可能性を秘めたアプローチの一つだと思う。理系の人にこそすすめたい本。
(mixiレビューより移植)