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思索と探索のクロッキー帳。オーディオや音楽の話題、レビューなども。

SIMGOT EM2 レビュー 〜1万円クラス “ボーカル最強イヤホン”

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今年も続々と新しいイヤホンが発売されていますが、今回は、2019年5月22日に国内発売された「SIMGOT EM2」(販売価格:12,800円)という、定番のShure SE215 などと並んで初めての本格的な音楽用イヤホンにも最適なIEM(In-Ear Monitor)型イヤホンのレビューです。

この機種、実は先日の「春のヘッドフォン祭2019」にも出展されていたのですが、聴きそびれていたところ、幸運にもSIMGOT JAPAN様より試供品をご提供いただけることになり、1週間ほど使用してのレビューになります。

新興メーカーながらハイレベルな製品で人気を博しているSIMGOT

SIMGOT社は、2015年に中国・深センに設立された新興メーカーながら、初めてリリースしたイヤホン「EN700」シリーズがその高音質とコストパフォーマンスの高さで人気を博したことで、日本のポータブルオーディオファンの間でもよく知られたメーカーです。

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一説には、もともと別のオーディオブランドでイヤホンなどを開発していたエンジニア/デザイナーが独立して自らのブランドを立ち上げたとのことで、もともと高い技術力や音質チューニングセンスをもってすれば、いきなりヒット製品を生み出したのも納得できます。

最近の中国の新興オーディオメーカーは大きく、

  1. 高い技術力と経験を持った技術者を中心に、"Sound Signature" のしっかりした高品位な製品のみを出すメーカー
  2. とにかく早いサイクルで次々と仕様やチューニングを変えた製品をたくさん出すメーカー

の2つに分けられる気がしていますが、SIMGOTは間違いなく前者の方でしょう。

ブランド名の「SIMGOT(兴戈)」は 孔子の言葉に由来しているそうで、公式サイトの英語版では "Simple and elegant" の意とされていますが、元となった言葉「执干戈以卫社稷」は「社会のために最善を尽くす」といったニュアンスを含むようで、創設者の意気込みが感じられます。

海外では先行してリリースされていたEMシリーズ

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春のヘッドフォン祭2019 レポート 〜2. プレイヤー(ハイレゾDAP)編

前回の「1. イヤホン・ヘッドホン編」に続き、プレイヤー(ハイレゾDAP)のレポートです。

プレイヤーの試聴には、普段からリファレンス機としているイヤホン Nobe Audio Sage (ケーブルは ORB Clear Force Ultimate φ3.5mm 2pin)を使用しています。(※試聴はすべて3.5mmアンバランス出力のみです)

春のヘッドフォン祭2019 プレイヤー(DAP)編

通称「DAP」と呼ばれるポータブル・ハイレゾ・オーディオプレイヤーは、ヘッドホンやイヤホン以上に年々進化し続けている機器でもあり、毎回イベントでどこのメーカーからどんな新製品が出てくるか話題になります。

今回も、ヘッドフォン祭で初公開(世界初公開/本邦初公開)となるDAPがいくつかあり、試聴待ちの長蛇の列ができていました。

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春のヘッドフォン祭2019 レポート 〜1. イヤホン・ヘッドホン編

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平成最後の土日、2019年4月27日(土)〜28日(日)にかけて、東京の中野サンプラザで「春のヘッドフォン祭2019」が開催され、1日半ほど参加してきました。

今回はそこで試聴した新製品や開発中のプロトタイプ、気になったものなどを iPhone で撮った写真とともにお届けしたいと思います。

「ヘッドフォン祭」とは?

ヘッドフォンさい」は、東京・中野を拠点とする「フジヤカメラ店」のオーディオ・ビジュアル専門店「フジヤエービック」が2008年から毎年春と秋に開催している、名前の通り「ヘッドフォン」を中心としたポータブルオーディオ、デスクトップオーディオ機器の展示会です。

「オーディオショウ」などの据置オーディオの展示会はユーザーの高齢化が進んでしまっていますが、日本の住宅事情や公共交通機関の利用が多いライフスタイルから、ポータブルオーディオはより若い層に人気で、毎回活気に満ちています。
また、ヘッドフォン祭は国内外のオーディオメーカーがこぞって新製品を発表する場としても知られ、海外のオーディオファンや関係者からも注目を集めています。

ヘッドフォン祭 公式サイト


春のヘッドフォン祭2019 会場マップ

(2日間でも全て廻り切るのは無理…)

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春のヘッドフォン祭2019 イヤホン編 その1「中国・アジアメーカー」

もともと国内に代理店のなかった中国の新興メーカー製のイヤホンは「中華イヤホン」などと呼ばれ、数年前から低価格帯を中心に雨後の筍のごとくおびただしい数がリリースされていましたが、その中でも国内代理店がついて日本国内向けに流通販売される機種が徐々に増え、音質や品質だけで比較すると、今や従来からの国内メーカーや欧米系のメーカーを脅かす存在にさえなろうとしています。

さらに、ここ1、2年の音質面、品質面でのレベルアップは目覚ましく、国内代理店の働きかけで日本市場向けにブラッシュアップするなど、現在のイヤホン市場はなかなかレベルの高い戦いになっています。
数年前なら数秒試聴して「あ、これダメだ」という機種が結構あったのですが、今はむしろ国内メーカー製品よりよいんでは?と思うものも多く、様相がかなり変わっています。

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