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思索と探索のクロッキー帳。オーディオや音楽の話題、レビューなども。

aune BU1 レビュー 〜据置機に匹敵する「音の安定感」とパワーのある、ES9038搭載フルディスクリートA級動作ポータブルヘッドホンアンプ

今回は、この夏の「ポタフェス2019東京・秋葉原」で初めて試聴し、その瞬間にただならぬその音に驚いた、「aune BU1」という USB DAC 搭載ポータブルヘッドホンアンプを試用してのレビューです。(試聴機をお借りしてのレビューです)

ポータブルオーディオ機器、それも高価なハイエンド機ではなくスマートフォンよりも安価な機器で、フルサイズの据置単品オーディオ機器で感じられるような、音の「あの感覚」を感じることができたのは久しぶりかも。

オーディオシステムの中でアンプによって生み出される「あの感覚」

オーディオシステムの三大構成要素として挙げられるのが、

  1. プレイヤー(音源から情報を読み取って電気信号に変換する)
  2. アンプ(微弱な信号を大きな信号に増幅する)
  3. スピーカーやヘッドホン、イヤホンなど(電気信号を空気振動=音に変える)

の3つですが、アンプ(Amplifier=増幅器)、特にヘッドホンやイヤホンを駆動するための「ヘッドホンアンプ」は音楽プレイヤー(スマホなども含め)に内蔵されているため、その違いがどのように音に影響するのか、他の要素ほど意識されにくい部分かもしれません。

自分がオーディオを本格的に(?)始めたのが、据置型の単品コンポーネント・オーディオだった点も大きいかもしれませんが、初めて単品オーディオ機器を買い揃えてその音を聴いたとき、CDラジカセやミニコンポなどとは決定的に音の「次元」が違うと感じました。音質がよいのは当然として、音が「鳴っている」というより、音が「しっかりと地に足をつけてそこにある」というような感覚を体験したのはその時が初めてです。

さらに1〜3の様々な組み合わせを試したりする中で、「それ」を感じるかどうかは2のアンプによるところが大きいということが次第にわかってきました。それは「音の安定感」とでも言うような漠然とした感覚ですが、ある一定レベル以上のアンプではスピーカーを鳴らすパワーアンプにしてもヘッドホンアンプにしてもその「安定感」を感じます。

そして「aune BU1」を初めて聴いたときに感じた「あの感覚」とは、そのサイズのポータブルオーディオ機器ではあまり感じたことのないような、圧倒的なその「音の安定感」でした。

実は「aune BU1」のベースとなっている初代モデル「aune B1」ユーザー

「aune BU1」は、ディスクリート構成のA級動作(クラスA)ヘッドホンアンプにUSB DACを搭載した機種ですが、もともと「aune B1」というヘッドホンアンプ単体の機種が2015年に発売されており、実はその発売直後の2015年秋に中国のネット通販「AliExpress」で購入しています。

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イヤーパッドの素材や構造の違いによるヘッドホンの装着感と音質の変化を試してみた(YAXI編)

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イヤーパッドを変えると、装着感だけでなく音質も変わる?

前回の記事、「ULTRASONE Signature STUDIO の正確な音はそのままに、装着感を劇的に改善する交換用イヤーパッド「YAXI fix90」」では、事前に「この機種には YAXI fix90 が音質的にも合う」という情報を得ていたのですんなりとイヤーパッドを換装できたのですが、「交換用イヤーパッドはサイズさえ合えばよいのか?」というと、どうもそうでもないらしい?ということで、交換用イヤーパッドメーカーのYAXIさんのご厚意で素材の異なるイヤーパッドをお借りし、装着感や音質はどう変わるのかを試してみました。

その結果は、予想とやや違い…!?

YAXI製の3つの異なる素材・構造のイヤーパッド

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今回試してみたのは、「YAXI fix90」とサイズ的にほぼ互換のある、素材の異なる全3種類。
これを愛機のスタジオモニターヘッドホン、ULTRASONE Signature STUDIO に装着しての聴き比べです。

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ULTRASONE Signature STUDIO の正確な音はそのままに、装着感を劇的に改善する交換用イヤーパッド「YAXI fix90」

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最高なモニターヘッドホンの唯一の弱点は…

オーディオや音楽など音のリファレンスとして、以前から SONY MDR-Z900 をはじめ「スタジオモニター」仕様のヘッドホンを使っていますが、現在メインで使っているのは Made in Germany の「ULTRASONE Signature STUDIO」。

この機種は、発売前に展示会で試聴してその音に驚くと同時にとても気に入り、発売当日に即購入したほどの機種で、自分にとって音のパートナーのような存在です。

広い空間上に高解像度の音像が正確に定位し、超高域から超低域まで歪みなく正確無比なサウンドについて、詳しくはまた別の機会に紹介するとして、唯一不満点だったのは、もともとスタジオでのヘビーユースを想定してかイヤーパッドの素材がとても硬く、フィット感があまりよいとは言えない点でした。

Signature STUDIO は側圧はそれほど高くないため、耳が痛くなるようなことはないのですが、イヤーパッドと頭の側面との間に所々隙間ができるような状態で、装着位置が少しずれるとその隙間の具合が変わるためか、特に低域の周波数バランスが若干変わったりするのが気になっていました。(個人差もあると思いますが…)

救世主「YAXI fix90」現る

そんな中、ある日ふと Twitter で目にした情報がこちら。

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