今回は、この夏の「ポタフェス2019東京・秋葉原」で初めて試聴し、その瞬間にただならぬその音に驚いた、「aune BU1」という USB DAC 搭載ポータブルヘッドホンアンプを試用してのレビューです。(試聴機をお借りしてのレビューです)
ポータブルオーディオ機器、それも高価なハイエンド機ではなくスマートフォンよりも安価な機器で、フルサイズの据置単品オーディオ機器で感じられるような、音の「あの感覚」を感じることができたのは久しぶりかも。
オーディオシステムの中でアンプによって生み出される「あの感覚」
オーディオシステムの三大構成要素として挙げられるのが、
- プレイヤー(音源から情報を読み取って電気信号に変換する)
- アンプ(微弱な信号を大きな信号に増幅する)
- スピーカーやヘッドホン、イヤホンなど(電気信号を空気振動=音に変える)
の3つですが、アンプ(Amplifier=増幅器)、特にヘッドホンやイヤホンを駆動するための「ヘッドホンアンプ」は音楽プレイヤー(スマホなども含め)に内蔵されているため、その違いがどのように音に影響するのか、他の要素ほど意識されにくい部分かもしれません。
自分がオーディオを本格的に(?)始めたのが、据置型の単品コンポーネント・オーディオだった点も大きいかもしれませんが、初めて単品オーディオ機器を買い揃えてその音を聴いたとき、CDラジカセやミニコンポなどとは決定的に音の「次元」が違うと感じました。音質がよいのは当然として、音が「鳴っている」というより、音が「しっかりと地に足をつけてそこにある」というような感覚を体験したのはその時が初めてです。
さらに1〜3の様々な組み合わせを試したりする中で、「それ」を感じるかどうかは2のアンプによるところが大きいということが次第にわかってきました。それは「音の安定感」とでも言うような漠然とした感覚ですが、ある一定レベル以上のアンプではスピーカーを鳴らすパワーアンプにしてもヘッドホンアンプにしてもその「安定感」を感じます。
そして「aune BU1」を初めて聴いたときに感じた「あの感覚」とは、そのサイズのポータブルオーディオ機器ではあまり感じたことのないような、圧倒的なその「音の安定感」でした。
実は「aune BU1」のベースとなっている初代モデル「aune B1」ユーザー
「aune BU1」は、ディスクリート構成のA級動作(クラスA)ヘッドホンアンプにUSB DACを搭載した機種ですが、もともと「aune B1」というヘッドホンアンプ単体の機種が2015年に発売されており、実はその発売直後の2015年秋に中国のネット通販「AliExpress」で購入しています。