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Fluffy white croquis

日々の思索のためのクロッキー帳。オーディオやオススメなども。

「Shanling(シャンリン) M5, M2, M3」を実機比較レビュー 〜 コストパフォーマンスに優れた中華DAP

オーディオ 道具 UI
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日本で「ハイレゾDAP(デジタル・オーディオ・プレイヤー)」と言えば、まずは韓国 iriverAstell&Kern ブランドの「AKシリーズ」が筆頭に挙げられ、ハイエンド志向の高級ブランドとしての地位を築いていますが、低価格を武器にした中国メーカー勢も以前にも増して勢いづいており、様々なメーカーから次々と新機種が送り出されています。

もちろん国内メーカーも製品を出していますが、ソニーの「ハイレゾ Walkman」以外は、ここ1年程の間にようやく出てきたという印象です。

iPod の生産終了がハイレゾDAPの需要を作り出した?

昨今のハイレゾDAP市場の盛り上がりは、ハイレゾ音源の普及というのも1つにはあるかもしれませんが、一番大きいのは AppleiPod の役割を iPhone に受け渡し、「まともな音楽専用プレイヤーがなくなってしまった」という所が大きいのかもしれません。

20年以上前のMP3黎明期に「MP3プレイヤー」で一躍名を馳せた iriver 社は、大容量型 iPod の終焉とハイレゾ音源登場のタイミングをうまく見計らったかのように、「Astell & Kern」という新たな高級志向ブランドでハイレゾDAPを全世界に展開し、今では世界中のオーディオ関連メーカー、音楽産業やミュージシャンなどに通用するハイレゾDAPのステータスを築いています。

もちろん、他のメーカーもこれを黙って見ているわけではなく、様々なメーカーからハイレゾDAPが発売されていますが、各地域のディストリビューターの奮闘のためか、今のところハイエンド市場では「Astell & Kern」が依然デファクトスタンダードとなっている印象です。

コストパフォーマンスに優れた「中華DAP」が続々登場中

韓国 iriver 社の「AKシリーズ」は完成度だけでなく価格の高さも際立っているため、エントリークラスとして進出しているのが、主に中国メーカーの製品です。

中国メーカー製のDAPで、日本に正規代理店経由で入ってきているものでは、よく名が知れているのは FiiO 社の X シリーズや iBasso の DX シリーズ辺りでしょうか。
以前、「FiiO X1」という最廉価ハイレゾDAPを購入してレビュー記事を書いたように、FiiO社のDAPは、ユーザーインターフェイスや操作性は iPod や高級機には及ばないものの、コストパフォーマンスに優れ、エントリークラス〜中級クラスで健闘しているようです。

しかし FiiO 以外にも中国本土および海外では、日本ではまだ販売されていないものの、おびただしい種類のDAPが開発・販売されています。また、市場の大きな海外での販売を前提としているためか、最近はクオリティが高いものも増えています。

そのうちの1つが、今回の主役「Shanling(シャンリン)」というブランドのハイレゾDAP「Mシリーズ」で、市場でのポジションは新興メーカーである FiiO 社製品と近いものの、長年の据置機での技術的バックグラウンドと、他社と一線を画す独自のミニマムな操作系で海外を中心に愛用者が増えているようです。

Shanling(シャンリン)社の現行ハイレゾDAP「Shanling M5」「Shanling M2」「Shanling M3」の3機種を一斉比較!

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今回、この「Shanling」社のハイレゾDAP、3機種の同時比較が実現したのは、

  1. 自分が「Shanling M2」を昨年(2015年)秋の発売直後に購入して持っていた
  2. Twitter上で知り合った、オーディオレビューブログを精力的に書かれ、謎の人脈をお持ち?の「REVおじさん(@forREV)」が「Shanling M3」を所有されており、最近になって「Shanling M5」を入手されて3機種の音質比較企画を提案頂き、M3とM5をお借りできた

おかげです。

blog.livedoor.jp

「REVおじさん」には足を向けて寝られません(笑)

Shanling(シャンリン)というオーディオブランドについて

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Shanling」というブランド自体、日本ではまだそれほど知られていないかもしれませんが、1988年に中国の深センにてパワーアンプなどを開発するオーディオメーカーとして創業し、30年近くにわたって据置型オーディオ機器を中心にエントリークラスからハイエンド機まで手がけ、OEMの他、自社製品の開発販売も行っている、比較的歴史のあるオーディオブランドのようです。

ポータブル機に進出したのは比較的最近で、2015年1月頃に発売したハイレゾDAPShanling M3」が、昨年の5月にフジヤエービックさんと、カスタムIEM「FitEar」でも有名な須山歯研さんが、Shanling社との正式な承諾の元、日本国内販売に向けた足がかりとして試験的にモニター販売されていたことがあり、そのサウンドの虜になる愛用者が多いと言われているようです。

特徴的なホイール式ユーザーインターフェイス

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ShanlingのDAPはユーザーインターフェスが特徴的で、タッチパネルを採用しない代わり、全て本体右上の物理的なコントロールホイールで操作できるようになっています。

「M3」では、ホイールの回転+上下左右のジョイスティック風動作+プッシュ、「M2」では一眼レフカメラのコントロールホイールに着想を得て刷新され、平面型回転リング+上下左右のプッシュ+センターボタン、という構成ですべての操作が行え、その後に出た上位機「M5」もこの操作系を踏襲しています。

他の通常のDAPは、タッチパネルだったり、画面のある面にボタンが配置されていたりしますが、ShanlingのDAPは、本体右上だけですべての操作が完結するので、例えばポケットやカバンに入れていても、画面を見ずに手探りで簡単に操作ができるという、大きなメリットがあります。

DACやアナログ段にこだわりのある構成

Shanling M3, M2, M5 の基本スペックは次の通りです。

機種によってはWebサイトに全ての項目については載っていなかったり、発表時から計測方法の変更などで数値が変わっているものもあるため、Head-Fi.org の Shanling 公式アカウントによる最新の書込みを参考に補完しています。

M5 M2 M3
発売 2016年3月 2015年11月 2015年1月?
参考価格 378 USD 228 USD 330 USD
ディスプレイ 3" IPS 480×800 2.35" TFT 360×400 2.4" TFT 240×320
サイズ・重量 57×13.8×120mm
約135g
52.5×13.8×110mm
約115g
69×21×125.5mm
約220g
入力端子 MicroUSB MicroUSB MicroUSB
3.5mm LINE IN/光デジタル
出力端子 ステレオミニ
3.5mm LINE OUT/同軸デジタル
ステレオミニ
3.5mm LINE OUT/光デジタル
ステレオミニ
3.5mm LINE OUT/光デジタル
対応
フォーマット
PCM 32bit/192kHz
DSD128
PCM 24bit/192kHz
DSD64
PCM 24bit/192kHz
DSD64
DAC AK4490 CS4398 CS4398
CS8422(SRC)
LPF MUSES8920×2(L/R) MUSES8920 OPA2604
ヘッドフォン
アンプ
AD8610×2(L/R)
BUF634×2(L/R)
TPA6120A2 AD8610×2(L/R)
BUF634×2(L/R)
出力 300mW@32Ω 125mW@32Ω 300mW@32Ω
出力
インピーダンス
0.18 Ω
(当初は6.2Ωと発表)
4.7Ω
(当初は12Ωと発表)
0.14 Ω
THD+N <0.003% <0.004% <0.004%
SNR >105dB >102dB >95dB

「Shanling M5」発表時の謳い文句として「M5>M3+M2」というものがあったので、「M5」は「M3」と「M2」のいいとこ取りをした、マイルストーン的な存在と見ることもできそうです。

それぞれの位置づけとして、メーカーの公式ページでも M2とM3は「Entry Level」、M5は「High End」としています。

各機種の特徴は、上の一覧表でもわかるように、ファーストモデル「M3」はやや特異な構成で、DAC内蔵ポータブルヘッドホンアンプとしても使える豊富な入出力を持っており、デジタル音源のサンプリング周波数を192kHzにアップサンプリングする、サンプリングレートコンバーター「CS8422」を搭載しています(設定でON/OFF可能)。

DACチップは「M3」と「M2」は同じ「CS4398」、「M5」は音の傾向の似た「AK4490」を搭載しています。最近は Astell & Kern のハイエンドモデル AK380 にこの「AK4490」が採用されたのを受けてか、各社で採用が広がっている今人気(?)のDACチップです。

アナログ段では、DACのローパスフィルター(LPF)に、JRCの高性能オペアンプ MUSES8920 を使用しているのが M2以降の流れで、ヘッドフォンアンプ部は、M2 ではこれまた最近あちこちでよく見かける超低歪の高性能ヘッドホンアンプIC「TPA6120A2」を採用していますが、M5ではM3と同じ構成となっています。
さらに、M5では、DACからの出力以降が全て左右独立構成になっている点も見逃せません。

では、ここからそれぞれの音質が想像できるかというと、そう単純ではないのがオーディオの面白いところ。たとえ同じ部品を使っていても、回路の構成や基板パターンが違えば音も変わるという世界です。

試聴にはフラットでクセのない ELECOM HH1000A を使用

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この所、オーディオ機器の試聴は全てこのイヤホンで行っていると言っても過言ではありません。

ELECOM というと意外に思う方も多いかも知れませんが、この機種は元オーディオメーカー出身マネージャー監修のもとで開発された、ダイナミック+BAのハイブリッド型で、「ハイレゾ」を再定義した上で階調表現を重視して、ダイナミック型の弱点をBAで補うというアプローチで作られた、ELECOM入魂の作です。

とにかく音にクセや色付けが少なく、聴感上の周波数バランスが非常にフラットで、オーディオ機器それぞれの特徴を非常に聴き比べやすい機種で、発売日前日にeイヤホン名古屋大須店で行われた店頭試聴会でその音に衝撃を受け、その場で発売日前日に事実上メーカーの方から直接購入してしまいました(笑)

さらにMMCX対応なので、ケーブルの聴き比べやバランス出力にも対応する、まさに万能試聴機です。
実売価格は約2万弱なので、マニヤな方は1つ持っておくと便利でしょうし、ちょっといいイヤホンが欲しいという方にも大変オススメの機種です。

今回の試聴は全てこの ELEECOM HH1000A で行っています。

「Shanling M2」購入時のファーストインプレッション

Shanling M2」は、個人的に昨年(2015年)の秋に、価格200ドル強というコストパフォーマンスにつられて、中華オンラインショップ「AliExpress」で購入し、その音質と使い勝手の良さにすっかり気に入っていました。

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中国のオーディオ製品は、ものによっては、くりぬいたウレタンフォーム入りの何も書かれていない段ボール箱に入っていたり、時々ダンボールの箱すらなくて中のウレタンフォームをテープでぐるぐる巻きにしただけで届くこともあるので、ちゃんとした箱に入っているのは安心感があります(笑)

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付属品はFiiOの製品のように、比較的充実しています。
右下のUSBメモリのように見えるのは、microSDカードリーダー、短いケーブルは同軸デジタル出力用の変換ケーブルです。Shanling M2/M5 では、ヘッドホン出力とは別に、ライン出力と同軸デジタル出力が共用になった端子があるため、FiiO用のものと同様、4極ミニタイプの同軸ミニプラグになっています。

多くのDAPで、ライン出力がヘッドフォン出力端子と兼用で、ソフトウェア的に切り替えているのに比べると、ライン出力が独立してヘッドフォンアンプを介さず出力できるのは魅力的です。

「Shanling M2」 〜なめらかで力強い好音質〜

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Shanling M2 の音をひと言で言うなら「なめらかで力強い」イメージ。

通常、エントリークラスのDAPは、FiiO X1 や AK Jr などもそうですが、比較的「メリハリの効いた」「わかりやすい」音のものが多い印象があるのですが、M2 は、そうしたメリハリ感よりも、聴いた時の自然さを重視したような音づくりのようです。
加えて高域は透明感があって切れ味がよく、低域もドライブ感に余裕が感じられるので、アタックはパシっと決まりつつ、ヴォーカルや楽器の響きを刺さり感なく気持よく聴かせてくれます。

Alexandra Stan & INNA feat. Daddy Yankee - We Wanna
Myオーディオ試聴曲リストより。ビートの力強さ、ヴォーカルの艶、様々なサウンドのバランスのよさが試される曲です。


単純にDACチップで比較できるものではありませんが、同じ CS4398 を搭載している Astell&Kern AK100II が、しばしば「ニュートラルな音」と形容されるのに対し、M2 の音は AK100II と音の傾向は似た路線ですが、価格差が3倍以上あることもさることながら、解像度やディティールなどは全体的にゆる目です(AK100IIと比べると)

ただし、他の同価格帯機と比べると、あまり作った感じのない「自然な音」という印象で、メリハリのある音より落ち着いた音が好きな方にはかなりおすすめです。

ただ、最大の難点としては、ヘッドホン出力の出力インピーダンスが高い!という点。
製品発表時の公称は12Ω、その後測定方法が間違っていたとのことで改められた値でも4.7Ω。これが一番影響するのが、BA型ドライバーを複数搭載する多ドライバのイヤホンで、どうも相性がよくないようです。
ダイナミック型のシングルドライバのイヤホンや、ダイナミック型+BA型各1基のハイブリッドイヤホン、ヘッドホンで聴く分には特に不都合はないので、エントリー機として気軽に楽しむ用途には十分なのかもしれません。

また、シリーズ中最小サイズなので、手の小さな方でもつかみやすく、どんなポケットにも入れやすいので、使い勝手は非常によく、ライン出力や同軸デジタル出力を搭載しているなど、初めてのハイレゾDAPとしては、かなりおすすめできる機種です。
アルバムアートワーク重視派としては、液晶が粗正方形なので、FiiO のDAPのようにアルバムアートワークが切れずにすべて表示される点も見逃せません。

「Shanling M5」 〜サウンドの上質さに磨きをかけたハイコスパ機〜

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さて、ここから手持ちの「M2」との比較をしていきます。

大きくなったようで実際はそれほど大きく感じないサイズ感

Shanling M5 は、ぱっと見た目には M2 とほとんど同じ形に見えますが、全体的に M5 の方がやや大きく、画面が縦長・高精細になっています。
M2よりやや大きいものの、実際に手にとった感じではそれほど大きくは感じません。重さが M2 からわずか 20g 増えているだけなので、体積/重量比としても軽く感じるのかもしれません。

それよりも、まず液晶が M2 よりも格段に高精細になっていることに目を奪われます。アルバムアートワークの表示がとてもきれいで、「タッチパネルではない」ことが、デメリットよりも「指紋がつかない」というメリットになるかもしれません。

大きいと言ってもスマホよりは面積はずっと小さいので、ポケットやカバンの内ポケットなどには収まり…ます。

全体的にM2からワンランクグレードアップした音

Shanling M5 の音をひと言で表すなら「上質で気品の感じられる音」。

M2と比べるとあらゆる面でワンランク上の上質な音を聴かせてくれます。
全体的な音の傾向としては、M2の「自然な音」「力強さ」を引き継いでいるので、これが Shanling の今の音作りの方向性なんだろうと思いますが、解像度が一段と高く、微細な音も埋もれずに聞こえるようになり、アタックの立ち上がりのキレが非常によくなっています。

さらに、空間も広く奥行き感や立体感も向上しています。この辺りは、アナログ段の左右独立構成が効いているのかも知れません。
また、余韻がきれいに消えていくところは、COWON のハイレゾDAP「PLENUE」シリーズにも通ずるものがあり、Shanling 社がハイエンド据置機で培ったのであろう、気品が感じられます。

何種類もの音源で試してみましたが、CD音質のFLACや圧縮音源よりも、特にハイレゾ音源でその差が明白で、ハイレゾ音源の情報量をうまく引き出して表現できている感があります。

Strawberry Fields Forever - Karen Souza
The Beatles の名曲の Karen Souza による Jazzy なカバー。空気感や臨場感、生々しさが非常によくわかるので、Myオーディオ試聴曲リストの定番です。


AK100II と比べると、トータルバランスでは AK100II が一枚上手で万人向けではありますが、M5 も負けず劣らずといった所で、微妙な音の質感や空間表現という点では、M5 の方が個人的には好みです。価格で比べると AK100II の半額くらいなので、コストパフォーマンスはかなりよいです。

Shanling 社のDAPの集大成

「M5>M3+M2」のコピー通り、M5 は名実ともに Shanling のハイレゾDAPの集大成と言えそうです。今回の3機種の比較では、個人的に一番気に入った機種です。今はM2を使っていますが、M5に乗り換えたいなーという気分です。

このDAPがまだ日本で売られていないのはもったいない!と感じるハイコスパDAPです。
追記1:日本でも伊藤屋国際さんが輸入代理店となり、正規販売が開始されました!
追記2:代理店直販と時系列が前後してますが、e☆イヤホン先行にて2016.8.18に発売されました。

「Shanling M3」〜独特な個性を持つ謎に満ちたDAP

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さて、唯一国内で販売されていた、話題の M3 です。

Shanling 社発のハイレゾDAPでもあり、独創的な試みが随所に取り入れられていますが、この機種は「ファームウェアのバージョンによって音がかなり異なる」とも言われ、今回は FW3.0 で試聴した感想になります。

一聴して、M2 や M5 とは明らかに傾向の異なる音です。非常に個性的です。

低域に厚みがあり、中高域がやや薄めで高域がやや強調されている感じがするものの、キツくはない程度で、ハイトーンの男性ヴォーカルなどが軽めに聞こえます。高域が硬質なためか、フルートの音はややざらつき感があり、バイオリンソロがややキツく感じます。
その代わり、ギターのエッジが立つ感じで、微小音もやや強調気味なので、ギターを中心としたバンドサウンドやメタル系との相性が良さそうな気がします。

全般的に時間軸方向の解像度はそれほど高くない印象で、それゆえか音の空間は頭の周囲に近くまとまっていて、奥行きもそれほど深くないので、ライブのように音のエネルギー感に満ちた感じがします。
低域の厚みは、低域の解像度がやや甘めなところから来ているようにも感じられ、それによって低域の歪感がカバーされているのか、独特の心地よさがあります。

「人によってハマる」音と言われるのもうなずけます。どのイヤホンやヘッドホンと組み合わせるかが、キーポイントになりそうです。

ItaloBrothers - Sleep When We're Dead
M3でこの曲を聴くと、ヴォーカルの Matthias Metten の声が「可愛らしく」聴こえます(笑)

ラインアウトでは全く異なる音!?

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Shanling M3は、豊富な入出力端子を備えているので、各種入力/出力を試してみました。
そこでわかったことは、

  • ラインアウトでは、ヘッドホン出力のような独特なキャラクターは感じられず、とても自然でソフトな音(M2のラインアウトよりもソフト)。
  • 外部入力(ラインイン、光デジタル)の音を聴くと、ヘッドホン出力のみ独特なキャラクターが現れ、光デジタル入力→ラインアウトでは自然な音。
  • 光デジタル入力→ヘッドホン出力ではmicroSDでの再生と同じ音。
  • ヘッドホンアンプを通った音だけが独特なキャラクターを持つ?

という、傾向があること。
冒頭のスペック比較表を見るとわかるように、ヘッドホンアンプ部に使用しているチップは Shanling M5 と同じなので、おそらくヘッドホンアンプの回路構成やチューニングが全く違うのではないかと推測されます。

謎多きDAP「Shanling M3」

Shanling M3 は、音質面でも謎に満ちていますが、操作体系も他社製品とはひと味違った独特なものとなっています。

自分の場合は、先に Shanling M2 を触っていたので、前世代感というかプロトタイプ感に味わい深いものを感じましたが、定石を踏襲しがちな他社と比べると、ユーザーインターフェイス(UI)にかける意気込みは相当なものがあるな〜と感じます。(使いやすいかどうかは別として…)

結果として、M2のホイール&十字キーのミニマムで直感的なインターフェイスにたどり着いたという点は、高く評価できるポイントだと思います。

3機種から選ぶなら?

Shanling M3, M2, M5 の3機種からどれか選ぶとしたら、たぶん最新の「M5」でしょう。音は一番気に入りました。ある意味無難な選択と言えるかもしれません。
価格は M2 より若干高いですが、それでも競合機種と比べるとコストパフォーマンスの高さが際立ちます。

より手軽にコンパクトに、という方には M2 がオススメです。音質的にも、個人的には FiiO X1 よりおすすめです。

M3は、かなりマニアックな選択と言えそうです。普段聴く音楽がピタリとハマれば至高の1台になることでしょう。

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DAPもそれぞれ一長一短あるので、大いに悩んだりひとまず中古の機種で試したりするのもよいと思います。

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『DigiFi』No.22 付録「バランス駆動対応ヘッドフォンアンプ」レビュー 第1弾:ヘッドフォンアンプの意義と付録の全貌

オーディオ 道具
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デジタルオーディオに関心のある方ならご存知、ステレオサウンド別冊『DigiFi(デジファイ)』誌は、一昨年の夏から、Olasonic社との共同企画で、「ハイレゾUSB DAC」、「デジタルアンプ」、さらには「ハイレゾ対応スピーカーユニット」を連続企画で雑誌の付録として全国の書店で購入できるようにし、大型電気店や専門店のない都市部以外の方にもハイレゾデジタルオーディオを身近なものにしてくれました。

その『DigiFi』誌の付録、今年も始まりました。5月30日発売の次号、DigiFi No.22 に「バランス駆動対応ヘッドフォンアンプ」が付録としてついてきます!

『DigiFi No.15』から始まった、ハイレゾ USB DAC 〜 デジタルアンプの連続企画については、このブログでも詳しく解説しましたが、なんと DigiFi 編集部の方もご覧頂いていたようで、今回、編集部のご厚意で先行でサンプルを提供頂きましたので、一足早くレビューさせていただきます。

色々試して遊べるので、迷ったら買って損はない

結論から言うと、5,500円の『DigiFi No.22』、iPhoneスマホ しかないよー?という方でも充分楽しめます!
ヘッドフォンアンプに関心があったりなかったりする方なら、まず「買い」でしょう。特に、このページをご覧になっている方なら、買って損はないでしょう。

今回必要なのは、iPhoneスマホとイヤホンまたはヘッドホン(あとUSBの電源)さえあればOKで、たとえ音楽データがなくても大丈夫です。YouTube や AbemaTV 等無料サービスでも充分実感して楽しめます。

もちろん、音楽プレイヤー(DAP: Digital Audio Player)や USB DAC などがあればベストですが、もしバランス接続対応のヘッドホンやイヤホンをお持ちなら、後述する別売りオプションの「接続端子拡張基板(3,000円)」を用意すると、より一層楽しめるでしょう。
つまり、計8,500円で各種バランス端子を搭載したバランス出力対応のヘッドホンアンプが手に入るという寸法です。

単体の「ヘッドフォンアンプ」は一体何のためにあるのか?

オーディオに関心を持ち始めた人たちの多くが疑問に思うことに「プレイヤーのヘッドホン端子にそのまま挿せば聴けるのに、どうしてわざわざヘッドフォンアンプを別に用意するの?」というものがあります。自分もかつてそう思っていた時期がありました(笑)

この付録がこの疑問に答えてくれます。
「ヘッドフォンアンプの効果」としてよく言われているのは次の2つ。

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「beyerdynamic CUSTOM STREET」ついに国内正式発売!先行レビュー 〜高音質ハイコスパのストリートヘッドホン

オーディオ 道具
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beyerdynamic のヘッドホン「CUSTOM STREET」が、ついに日本でも正式発売されることが決まりました!(2016.1.23国内販売開始)

beyerdynamic(ベイヤーダイナミック)」と言うと、普通の人は「へ?」となるかもしれませんが、ドイツに本社を置く、オーディオ・放送業界では老舗のオーディオブランドで、1937年に世界初の「ダイナミック型ヘッドホン」を開発したメーカーとしても知られ、元祖ヘッドホンの生みの親のような会社です。

そのため、「beyerdynamic のヘッドホン」は古くからその音質に定評があり、業務用のみならず多くのオーディオ愛好家にも親しまれています。さらに、同社は音質の追及に余念がなく、近年では小型MRI並みの強力な磁力でより正確な音を再現する「テスラドライバー」など革新的な技術を開発し、高級ポータブルオーディオブランド「Astell&Kern」とのコラボレーションモデルを発売するなど、オーディオ界隈では実はとても有名なメーカーなのです。

Astell&Kern テスラドライバー搭載イヤホン AK T8iE ブラック  AK-T8IE-BLK

Astell&Kern テスラドライバー搭載イヤホン AK T8iE ブラック AK-T8IE-BLK

そんな「beyerdynamic」から2016年1月下旬23日に国内発売が決定しされたのが、「CUSTOM STREET」という機種。日本ではTEACが輸入代理店として、同社のプロフェッショナル向けブランド「TASCAM」での取り扱いになっています。

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上位機ゆずりの機能を凝縮し、タフさを兼ね備えたコンパクトオンイヤーヘッドホン

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