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Fluffy white croquis

日々の思索のためのクロッキー帳。オーディオやオススメなども。

Beats 新エントリーヘッドホン「Beats EP」レビュー 〜 Beats の皮を被った Apple 製品?〜

Apple オーディオ 道具 デザイン
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去る 2016年9月8日(日本時間)に、予定通り3.5mmヘッドホン端子が廃止された「iPhone 7, iPhone 7 Plus」が発表され、賛否両論が飛び交っていますが、今回は、その影で何の宣伝もなく突如オンラインの Apple Store に現れた謎のヘッドホン「Beats EP」を(おそらく)最速で発注しゲットしたので、そのレビューです。

正直な所この「Beat EP」、今までの「Beats のヘッドホン」のイメージを(良い意味で)根底から覆しそうなヘッドホンです。

プレスリリースにも登場しなかった「Beats EP」

Apple のイベントに合わせて、Apple が 2014年に買収した Beats by dr.dre ブランドのプレスリリースにて、BeatsXSolo3 WirelessPowerBeats3 Wireless の3機種が発表されましたが、そこでは「Beats EP」は取り上げられていません。

おそらく、今回のプレスリリースは iPhone 7 からヘッドホンジャックが廃止されたことを受けて、「ワイヤレス機」に絞ったものだったためだろうと推測されますが、各メディアは基本的にプレスリリースをもとに新製品ニュースを掲載するため、未だに「Beats EP」だけは、国内大手メディアでも一切紹介されていないままとなっています。

では、どうして「Beats EP」気づいたかというと、自分が昨年 iPhone 6s を購入した関係で、iPhone 7 にはそれほど関心がなかったのと、Ligntning 端子からアダプタを介して USB DAC を接続してハイレゾ音源を再生可能な環境をすでに構築済みで、ヘッドホンジャックがなくなっても別に困らない人だったためです。

それゆえ、発表後にオンラインの Apple Store が再オープンするや否や、多くの人がおそらく iPhone 7 のページに向かったであろう所を、自分は「アクセサリ」のページに直行しました(笑)

最速で「Beats EP」をゲット!

Apple Storeの「アクセサリ」のページで最初に見たかったのは、Lightning 端子を3.5mmオーディオジャックに変換するケーブルで、この製品はその時点ではまだ発注できない状態でした。(数日後に発注しましたがw)

そして、ふと開いてみた「ヘッドフォン&スピーカー」のページに、Beats ブランドの見覚えのない機種が…

Beats EPオンイヤーヘッドフォン (ホワイト)

Beats EPオンイヤーヘッドフォン (ホワイト)

値段を見てみると「税別 ¥9,800」。
えっ!?と驚き、Google などで調べてみましたが、情報はほぼ全く無し。

色は、ホワイト、ブルー、レッド、ブラックの4色。これは凸撃するしか…と、レビュー時に写真写りのよさそうな「ホワイト」を選んで、9月8日の早朝にそのまま速攻でポチりました。
当日出荷で、翌9月9日の朝には到着!

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Beats のオンイヤーヘッドホン史上、最高の装着感!

Beats のヘッドホンは、Solo2、Solo2 Wireless を持っているのですが、パッケージは Solo シリーズと変わらないクオリティです。 Solo シリーズは EP の倍〜倍以上の値段なので、この価格でこのパッケージクオリティは大丈夫か?と思ってしまいます。

Solo シリーズと違うのは、Beats EP は折りたたみ機構がないため、例の卵型のケースではなく、ソフトキャリングポーチに収まっている点でしょうか。

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早速取り出してみると、質感は非常によく、とても1万円のヘッドホンには見えません。ヘッドバンドは Solo シリーズと同様の素材で、そこから厚さ1.5mmものステンレスのアームがハウジングを包むように固定しており、全体をひねったりしても、Soloシリーズと同様に十分な堅牢さがあります。
これなら折り畳めなくても、キャリングポーチに入れてカバンに放り込んでも壊れるようなことはめったにないでしょう。

そして装着してみると…

何この気持ちよさ!」と思わず声に出したくなるような、装着感。

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Beats のオンイヤーヘッドホンといえば、屋外での激しい動きにも耐えるよう側圧(耳に押し付ける力)が強めで、長時間つけていると耳が痛くなるようなイメージがありますが、Beats EP は側圧が非常に弱くマシュマロのようなクッション性のよいイヤーパッドもあって、極上の装着感。

意外や意外。Beats のオンイヤーヘッドホンで、ここまで装着感の気持よい機種は初めてではないでしょうか。Beats 以外の機種も含めて、オンイヤーヘッドホンの中ではトップクラスの装着感と遮音性が両立されています。
(個人差はありますが)2時間くらい着けっぱなしでも痛くなりません。

Beats EP に最も驚いたのは、その聴きやすい自然なサウンド

もともと、何の情報もない状態で購入したものなので、もし音がイマイチだったら、e☆イヤホンの買取にでも持って行こう…くらいの気持ちでした、初めは。正直、音には全く期待していませんでした。

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が、ハウジング直出し平型ケーブルのプラグをプレイヤーにつないで、恐る恐る音を聴いてみると…
「あれ?」「普通に音いいぞコレ」

Beats は Solo2/Solo2 Wireless のイメージが強かったので、もっと押し出しの強い、中高域にややキャラクターあるあの音を想像していましたが、主張の強い押し出し感は鳴りを潜め、低域から高域まで非常に整ったバランスでクセの少ない、とても聴きやすい音に仕上がっていました。

もちろん、Beats お得意の重低音も健在ですが、不自然さはなく、アコースティックからエレクトロニック、ヴォーカル、バンドサウンドまで、あらゆるジャンルの音楽が気持ちよく聴ける音です。

オーディオ的に言えば、解像度は高すぎず低すぎず。適度に広がりがある空間に音が散りばめられ、曲にもよりますが、ヴォーカルは目の前にしっかり定位します。また、ベースの音が非常に心地よく、低域がぼわつくような感じもありません

そして、Beats EPで最も優れていると思ったのは、洋楽も邦楽も同じような音場感で聴けるという点。

通常、高性能なヘッドホンでは、ダイナミックレンジ(大きな音と小さな音の差)の広い洋楽を聴いたあとに、一般にダイナミックレンジの狭いJ-POPなどの邦楽を聴くと、ナローレンジで残念な感じが目立ってしまうのですが、Beats EP の場合はなぜかそうしたことがなく、J-POP サウンドもライブ感ある最高のサウンドで聴かせてくれます。
これはもしや日本の音楽を研究してチューニングされた「J-POP最強ヘッドホン」なのでは?と思うほど。

Beats EPは、初めての1万円クラスのヘッドホンにオススメ!

Beats EPは、まさに初めてヘッドホンを買おうと言う人には文句なしにおすすめしたい機種の1つです。いや、1万円クラスでこれだけ自然なバランスの音が出せるヘッドホンの方が少ないかもしれません。

すでに個人的にも気に入ってしまったので、普段使い用にしようと思っています(笑)

ちなみに、届いた日の週末に最寄りのeイヤホンに行って、何人かのスタッフさん他に聴いてもらいましたが、なかなかの好評価。
現在はオンラインおよび直営のアップルストアのみでの販売のようですが、一般店舗での発売が非常に楽しみな機種です。中高大学生や若い方にはおそらく爆発的に売れるのではないでしょうか。

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左:Beats Solo2 Wireless 右:Beats EP


どことなく Apple っぽさを感じる Beats EP

さてここからは、Beats EP についての推測です。

Beats EP は「b」マークは入っているものの、その音は先に記したように万人向けのオールラウンドサウンドになり、そのデザインも見れば見るほど Beats の他のどの機種とも違った雰囲気を持っています。

特に「Beats らしくない」のが、ヘッドホンであるにも関わらず、円と半円を中心になめらかな曲線と直線で構成されており、「b」マークとヘッドバンドの「beats」ロゴを隠したら、Beats のヘッドホンだと気づかない人も多いかもしれません。
そしてその佇まいにどことなく感じるのが「Appleっぽさ」です。

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推測に過ぎませんが、この Beats EP の開発にあたっては、デザインやサウンドを決めるのに Apple 社が多く関わっているのではないかとも思えます。

デザインやサウンドの随所にそれは感じることが出来ますが、それが端的に現れていると思うのが、

  • 音の方向性が iPhone に付属している Apple EarPods の延長線上にあるように感じる点
  • プラグ部分が、通常L字型の他の Beats 製ヘッドホンとは異なるストレート型で、なだらかに平型ケーブルに溶け込んでいる点

といった所。

Apple のプロダクツ」というキーワードを念頭に改めて聴いてみると、この素直でクセの少なくドライ目な音の出方は Apple EarPods のそれに通じるように感じます。もちろん、Beats EP の方が圧倒的に解像度や音のダイナミクスは優れていますが。

また、カナル型イヤホンの urBeats も平型ケーブルでストレートプラグですが、Beats EP のそれは urBeats とも異なり、beats のロゴマークも控えめな色となって(カラーによって異なるかもしれませんが)、ケーブルへの溶け込み方もよりなだらかになっています。

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左から、Beats EP、urBeats、Beats Solo2 Wireless付属


Lightning - 3.5mm ヘッドフォンジャックアダプタ と Beats EP の相性がよすぎる

Beats EP が Apple 寄りな製品ではないか?とより感じた決定的な点は、iPhone 7 に付属し、単体でも ¥900 で販売されている「Lightning - 3.5mm ヘッドフォンジャックアダプタ」と接続した時のサウンドと使い勝手の相性が最高によいこと。

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Beats EP がL型ではなくストレートタイプのプラグを採用したのは、この写真でもわかるように「Lightning - 3.5mm ヘッドフォンジャックアダプタ」とのマッチングのためではないかと邪推してしまいます。

その上、この組み合わせでチューニングしたんじゃないか?というほど音の相性がよく、仮に Beats EP は、Apple 主導で開発された「Beats の皮を被った Apple 製ヘッドホン」と言われても納得してしまいそうです。
Beats 社自体は 2014 年に Apple に買収されて傘下に入っているので、その可能性はなきにしもあらず。

Beats EP は Beats を敬遠していた方にも一聴の価値あり

オーディオ界隈には、国内外を問わず Beats の音を酷評する人が一定数いるのですが、多分 Solo HD の時代で時間が止まっているのでしょう。Beats は Solo2 以降、従来と比べかなり音質が改善しています。
その Soloシリーズからさらに変貌を遂げた Beats EP は、Beats をなんとなく敬遠していた人にも、改めてぜひ一度聴いてみて欲しいヘッドホンです。

そして、Beats EP は、Beats のヘッドホンとしては未だかつてない低価格ということもあって、今まで Beats のヘッドホンが欲しくても手が届かなかった人たちにも手が届きやすいヘッドホンとして、広まることを期待したくなる機種でもあります。

人気に火がつくと一気に売れてしまいそうなので、迷ったら即購入をおすすめします(笑)

Beats EPオンイヤーヘッドフォン (ホワイト)

Beats EPオンイヤーヘッドフォン (ホワイト)

Beats EPオンイヤーヘッドフォン (ブルー)

Beats EPオンイヤーヘッドフォン (ブルー)

Beats EPオンイヤーヘッドフォン (ブラック)

Beats EPオンイヤーヘッドフォン (ブラック)

Beats EPオンイヤーヘッドフォン (レッド)

Beats EPオンイヤーヘッドフォン (レッド)

「Shanling(シャンリン) M5, M2, M3」を実機比較レビュー 〜 コストパフォーマンスに優れた中華DAP

オーディオ 道具 UI
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日本で「ハイレゾDAP(デジタル・オーディオ・プレイヤー)」と言えば、まずは韓国 iriverAstell&Kern ブランドの「AKシリーズ」が筆頭に挙げられ、ハイエンド志向の高級ブランドとしての地位を築いていますが、低価格を武器にした中国メーカー勢も以前にも増して勢いづいており、様々なメーカーから次々と新機種が送り出されています。

もちろん国内メーカーも製品を出していますが、ソニーの「ハイレゾ Walkman」以外は、ここ1年程の間にようやく出てきたという印象です。

iPod の生産終了がハイレゾDAPの需要を作り出した?

昨今のハイレゾDAP市場の盛り上がりは、ハイレゾ音源の普及というのも1つにはあるかもしれませんが、一番大きいのは AppleiPod の役割を iPhone に受け渡し、「まともな音楽専用プレイヤーがなくなってしまった」という所が大きいのかもしれません。

20年以上前のMP3黎明期に「MP3プレイヤー」で一躍名を馳せた iriver 社は、大容量型 iPod の終焉とハイレゾ音源登場のタイミングをうまく見計らったかのように、「Astell & Kern」という新たな高級志向ブランドでハイレゾDAPを全世界に展開し、今では世界中のオーディオ関連メーカー、音楽産業やミュージシャンなどに通用するハイレゾDAPのステータスを築いています。

もちろん、他のメーカーもこれを黙って見ているわけではなく、様々なメーカーからハイレゾDAPが発売されていますが、各地域のディストリビューターの奮闘のためか、今のところハイエンド市場では「Astell & Kern」が依然デファクトスタンダードとなっている印象です。

コストパフォーマンスに優れた「中華DAP」が続々登場中

韓国 iriver 社の「AKシリーズ」は完成度だけでなく価格の高さも際立っているため、エントリークラスとして進出しているのが、主に中国メーカーの製品です。

中国メーカー製のDAPで、日本に正規代理店経由で入ってきているものでは、よく名が知れているのは FiiO 社の X シリーズや iBasso の DX シリーズ辺りでしょうか。
以前、「FiiO X1」という最廉価ハイレゾDAPを購入してレビュー記事を書いたように、FiiO社のDAPは、ユーザーインターフェイスや操作性は iPod や高級機には及ばないものの、コストパフォーマンスに優れ、エントリークラス〜中級クラスで健闘しているようです。

しかし FiiO 以外にも中国本土および海外では、日本ではまだ販売されていないものの、おびただしい種類のDAPが開発・販売されています。また、市場の大きな海外での販売を前提としているためか、最近はクオリティが高いものも増えています。

そのうちの1つが、今回の主役「Shanling(シャンリン)」というブランドのハイレゾDAP「Mシリーズ」で、市場でのポジションは新興メーカーである FiiO 社製品と近いものの、長年の据置機での技術的バックグラウンドと、他社と一線を画す独自のミニマムな操作系で海外を中心に愛用者が増えているようです。

Shanling(シャンリン)社の現行ハイレゾDAP「Shanling M5」「Shanling M2」「Shanling M3」の3機種を一斉比較!

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『DigiFi』No.22 付録「バランス駆動対応ヘッドフォンアンプ」レビュー 第1弾:ヘッドフォンアンプの意義と付録の全貌

オーディオ 道具
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デジタルオーディオに関心のある方ならご存知、ステレオサウンド別冊『DigiFi(デジファイ)』誌は、一昨年の夏から、Olasonic社との共同企画で、「ハイレゾUSB DAC」、「デジタルアンプ」、さらには「ハイレゾ対応スピーカーユニット」を連続企画で雑誌の付録として全国の書店で購入できるようにし、大型電気店や専門店のない都市部以外の方にもハイレゾデジタルオーディオを身近なものにしてくれました。

その『DigiFi』誌の付録、今年も始まりました。5月30日発売の次号、DigiFi No.22 に「バランス駆動対応ヘッドフォンアンプ」が付録としてついてきます!

『DigiFi No.15』から始まった、ハイレゾ USB DAC 〜 デジタルアンプの連続企画については、このブログでも詳しく解説しましたが、なんと DigiFi 編集部の方もご覧頂いていたようで、今回、編集部のご厚意で先行でサンプルを提供頂きましたので、一足早くレビューさせていただきます。

色々試して遊べるので、迷ったら買って損はない

結論から言うと、5,500円の『DigiFi No.22』、iPhoneスマホ しかないよー?という方でも充分楽しめます!
ヘッドフォンアンプに関心があったりなかったりする方なら、まず「買い」でしょう。特に、このページをご覧になっている方なら、買って損はないでしょう。

今回必要なのは、iPhoneスマホとイヤホンまたはヘッドホン(あとUSBの電源)さえあればOKで、たとえ音楽データがなくても大丈夫です。YouTube や AbemaTV 等無料サービスでも充分実感して楽しめます。

もちろん、音楽プレイヤー(DAP: Digital Audio Player)や USB DAC などがあればベストですが、もしバランス接続対応のヘッドホンやイヤホンをお持ちなら、後述する別売りオプションの「接続端子拡張基板(3,000円)」を用意すると、より一層楽しめるでしょう。
つまり、計8,500円で各種バランス端子を搭載したバランス出力対応のヘッドホンアンプが手に入るという寸法です。

単体の「ヘッドフォンアンプ」は一体何のためにあるのか?

オーディオに関心を持ち始めた人たちの多くが疑問に思うことに「プレイヤーのヘッドホン端子にそのまま挿せば聴けるのに、どうしてわざわざヘッドフォンアンプを別に用意するの?」というものがあります。自分もかつてそう思っていた時期がありました(笑)

この付録がこの疑問に答えてくれます。
「ヘッドフォンアンプの効果」としてよく言われているのは次の2つ。

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