もともとコーヒーは好きな方でしたが、以前はそれほど「違い」や「こだわり」は意識しておらず、缶コーヒーやインスタントコーヒー、ドリップコーヒー、コーヒーチェーン店などで「普通に」飲んでいました。
しかし、相方といっしょにカフェ巡りをするようになって、「ここは美味しい」「ここはまあまあ」といった「違い」が徐々にわかってきました。
そんな中、ランチのセットドリンクとして頼んだホットコーヒーで、最初に飲んだ瞬間から明らかにそれまで飲んだコーヒーと違ったものがありました。最初の感覚は「とても丁寧に煎れた感じ」。そこが、愛知県知立市の「cafe neiro」でした。
当時は、まだ珈琲の種類についての知識もほとんどありませんでしたが、後になって店主さんに聞いてわかったのは、このお店で出す珈琲は、ランチにつく珈琲も含め、全て「スペシャルティーコーヒー」だということ。
上の図でピラミッドの頂点に位置するのがスペシャルティーコーヒーで、まさに「別格」です。
東京や名古屋などで、時折、珈琲1杯800円〜1,000円以上もするようなお店がありますが、おそらくそうした店はスペシャルティコーヒーを扱っているのでしょう。
しかし、ここ「cafe neiro」では1杯400円〜という、スペシャルティコーヒーとしては破格のお値段。さらに店主さんは、スペシャルティコーヒーの中でもさらに上質のトップグレードのものを厳選しているようで、毎週コーヒーセミナーを開くなど、本当に珈琲を愛して止まないことが伝わってきました。
何よりも、他で飲む珈琲との違いが明白だったのは、普段は珈琲をあまり口にしない相方が「とても飲みやすい」と言って、「cafe neiro」に来る時は自分から珈琲を選ぶようになったこと。
実際、香りからまず違い、フルーティーで雑味もなく、今まで飲んでいた「珈琲」とは全く別の飲み物のように感じました。
自宅から車で10分もかからない場所なので、近くにいい場所ができたと喜んで、ちょくちょく通ってはその時折々の珈琲を味わったり、気さくな店主さんから珈琲のことを教えてもらったりするのが楽しみでした。個人的には「グァテマラ」が特に好きでした。
さらに、このお店にはもう一つの名物がありました。オリジナルの「牛すじカレー」。
これもまた、じっくり仕込まれて何度も食べたくなるような絶妙なスパイス加減。
仕込みたてはスパイスそれぞれの個性が引き立っていて「ハイレゾカレー」とでも呼びたくなるようなもので、熟成されるとさらにコクとまろやかさが加わり、これも絶品でした。
しかし、大変残念ながら2014年3月31日をもって閉店となってしまいました。
コーヒーチケットを買っていたので、最後の30日と31日は2日連続で通い、最終日の31日は日が暮れるまで、最後の珈琲と紅茶を満喫しました。
実はこのお店は珈琲以外にも紅茶にも力を入れおり、日本紅茶協会から「おいしい紅茶の店」として愛知県三河地区では唯一認定されたお店でもありました。
最終日に、店主さんの心遣いで紅茶も頂きましたが、これまで味わったことのない、香り豊かな極上の紅茶でした。
全てにおいて質の高いこだわりの料理や飲み物、JAZZの流れるいつまでも居続けたくなる居心地のよい空間。
感謝の気持ちを込めて、最終日にこれまで iPhone で撮りためた写真を切手風シール紙に印刷して、ゲストブックに5ページに渡って貼りつけてきました。ここでも相方の「マステコレクション」が火を噴き、キレイにデコれました(笑)
これまで約2年間、愉しませてもらい、「珈琲の本当の美味しさ」を教えてくれた「cafe neiro」には感謝です。店主さん、ありがとうございました!
またいつか、どこかで新生「neiro」が開くことを期待して...