普段使っているそのヘッドホン/イヤホン、どこまで音が聴こえていますか?
最近は、ハイレゾ音源など高音質な音源にも関心が集まり、ヘッドホンやイヤホンも高音質を謳った高価なものもたくさん出ています。
そこで今回は、普段使っているイヤホンやヘッドホン、あるいはスピーカーがどれくらいの「再生可能周波数帯域」を持っているのか、簡単に調べられる YouTube 動画を紹介したい思います。
20Hz〜20kHz の連続トーンでチェック
人間の可聴周波数域は一般に 20Hz〜20kHz と言われています。その 20Hz から 20kHz までのトーン信号を次の YouTube 動画でチェックできます。(実際には20Hz〜16kHz。理由は後述)
★注意★
ボリュームを上げ過ぎると、場合によってはイヤホンやヘッドホンのコイルが焼き切れたり、スピーカーを破損する恐れがあります。 初めはボリュームを小さめにして、適正な音量まで徐々に上げていってください。
お手軽チェック「1分42秒版」
より詳細なチェック「6分版」
いかがでしたでしょうか?
20Hz 近い超低域は機種によってはあまり聴こえなかったりするかもしれません。また、超高域は16kHzくらいから聴こえにくくなっていると思います。ただ、これには理由があるようで、どうやら YouTube では 16kHz 以上の音がカットされているらしいのです。
YouTube では16kHz 以上の音がカットされる?
- 『YouTube』の音質が悪いのは気のせいなのか? – ガジェット通信
"『YouTube』でアップロードされた動画の音声は、1万6000Hz(ヘルツ)でカットされていることが確認できます。"
実際、色々なヘッドホン/イヤホンを試しましたが、16kHz 以上の音は聴こえませんでした。
追記:
検証・仮説の記事を書きました。
16kHz以上の音はこちらのサイトでチェック
YouTube でチェックできない、16kHz以上の超高域は次のサイトでチェックできます。
- AuditoryTest - あなたの耳はどこまで若い?
水中生物音響学の専門家で、水産総合研究センター水産工学研究所 グループ長の赤松博士によるサイト
自分の場合は 17kHz までは聴こえましたが、18kHz はほとんど聴こえず…しかも 17kHz は、手持ちのヘッドホンの中では「SONY MDR-Z900」でしか聴こえず、他は16kHz止まりで全滅。さすがは「スタジオモニター」ヘッドホンだけのことはあります。
ちなみに、昔のブラウン管(CRT)テレビの電源が入っている時に聴こえる「キーン」という音は、15.75kHz。ブラウン管の水平走査周波数がその値で、それが音として聴こえていたようです。個人的には昔、すごく気になっていた音でした。
超低音は KOSS The Plug が圧倒的
超低域が一番よく出たのは「KOSS The Plug (ハトメ装着改造版)」。他のヘッドホンが苦戦する中、空気振動のような 20Hz の音も余裕で聴こえました。やはり「KOSS The Plug」は、千円ちょっとのイヤホンにしては変態的に超低音が出るみたいです。
過去の記事
番外:「バイノーラル・ステレオ」を体験したことありますか?
通常、音楽を収録する際はマイクロフォンを複数配置したりステレオマイクを使って、通常の「ステレオ音声」として録音をしたりしますが、「バイノーラル・ステレオ」は、「ダミーヘッド・マイク」と呼ばれる、人の頭部または上半身をそっくりそのまま再現して鼓膜に当たる部分にマイクを仕込んだもので録音します。
ダミーヘッドマイクの例:
この方法で録音した音をヘッドホン/イヤホンで聴くと、音源の位置や距離、空気感まで超リアルに聴こえるのです。
何はともあれ、次の動画を「ヘッドホン、またはステレオイヤホン」で聴いてみてください。
「バイノーラル・ステレオ」を初めて体験した方、気味が悪いほどのリアルさにきっと驚いたことでしょう。
NHKなどでは、かなり前からこの「ダミーヘッド・マイク」を使って収録した「バイノーラルステレオ」によるオーディオドラマをFMで放送していたりと、実は歴史はかなり古い方法です。デジタルでバイノーラルステレオを再現する技術もあります。
ただ、現実の音とほとんど区別がつかなくなるためか、利用されるシーンは限られているようです。
バイノーラルステレオで怪談とか、想像しただけでちびりそうですね。
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