人間を含む動物の行動を引き起こす動機や欲求は、自然界の普遍の原理、エントロピー増大の法則で知られる「熱力学第二法則」に従って生じているのではないかと思えてきた。
以前、自分のもう一つのブログで、こんなことを書いていた。
「納得」はたとえ非論理的でも根拠が無くても本人がそう思いさえすればよく、一度「納得」すればその件についてはそれ以上頭を使う必要がなくなり、脳の負荷を下げることができる。いわば脳の安全弁のような働きをしているとも言えそうだ。
この時は、「納得」することが脳の負荷を下げることになるとしても、なぜ負荷を下げようとするかは自律神経系への影響など生存にとって重要な事項だからとしていた。しかし、より根源的な理由を考えてみると、「脳はエントロピー増大の法則に従って、常に安定状態(平衡状態)に向かおうとする」と考えることができるのではないかと思い始めた。
例えば、「欲求」がある状態は、感覚器官など何らかの刺激によって脳の処理系の一部に非平衡が生じて、それを平衡状態に向かわせようとするベクターが「欲求」として現れるのではないかと。また、非平衡(例えば葛藤状態)を平衡状態(例えば安堵状態)にするために、何らかの動作あるいは行動をする「動機」が生み出されるのではないかと。
つまり、体の内外からの様々な刺激にさらされることによって脳内に非平衡が生じ、それを放っておくと自然の原理に従って平衡状態に向かおうとし、その過程が「欲求」や「動機」、さらにはそれが動作として現れた「行動」になり、行動の結果としての刺激がフィードバックされ平衡状態に近づいていって落ち着くというシステム。
このシステムの論理に従えば、「学ぼう」とか「○○しよう」という動機がより多く生じるようにするためには、より多くの刺激を受けて脳内に非平衡状態を作り出す(=エントロピーを低下させる)ことが有効と言えそうだ。
この論理はまだ不完全なので、また改めて考えてみたいと思う。
- カソウケン(家庭科学総合研究所): 003*エントロピー増大の法則 (Internet Archive)
- b22Ggs[å¥ (Internet Archive)
- エントロピーとは何か (Internet Archive)
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