white croquis

思索と探索のクロッキー帳。オーディオや音楽の話題、レビューなども。

「消費者庁」というネーミング

政府に「消費者庁」を創設しようという動きがあるのはご存じの通り。

しかし「消費者庁」というネーミングは、政府から見た消費者という視点でのネーミングであろう。何の前提知識もなく「消費者庁」とだけ聞いたときに、何をする所と想像するだろうか? 『ネーミングの掟と極意 (エンジニア道場)』で言われるようなループバックチェック(名前だけからその機能が想像できるか)が通らない。
詳しく内容を見たわけではないけれど、日本全国に「消費生活センター」として窓口を持つ「国民生活センター」の各省庁に対する立場を強化し、窓口を一元化しようというコンセプトの点では評価できるし、仮想化の取り組みとしても時代の流れにマッチしていると思う。(誤解のないように補足しておくと、ここで言う「仮想(virtual)」はスペースアルクの説明にもあるように「実体・事実ではないが「本質」を示すもの」の意味。)
しかし、日本では「国民生活センター」や「消費生活センター」という名前がすでに浸透しているのだから、「国民生活庁」とか「消費生活庁」とでもした方が、すでに日本人が持っている既存の概念とスムーズにつなぐことができそうだ。

ニュースなどによる、福田首相は「消費者庁と言うかどうかは別にして、消費者の接点になる役所の一元化は考えられてもよい」と言っているようだし、誰が「消費者庁」と言い出したのだろう?
他国の行政機関には「Consumer」と名の付く機関が多いけれど、日本に導入するにあたっては日本の事情に合わせればいいわけで、名前までマネる必要はないんじゃないだろうか。今のところ「仮称」とは言え。以前「法律のネーミング」というエントリーでも書いたように、情報リテラシー向上が急務だと思う。
「国民生活庁」とか「消費生活庁」という名前を使うと他の省庁があまりいい顔をしないだろうという配慮かもしれないが、国民に対する行政の「ユーザビリティ」をそろそろまじめに考えてもらわないと困る。といっても「ユーザビリティ」が向上すると手間が減って予算が減ってしまうだろうから、これも各省庁はあまりいい顔をしないだろうけど。


ちなみに、現在の消費者行政組織にはどんな所があるかWebサイトを見てみると...

どのサイトを見ればいいのかよくわからない。
まずはこれらを統合したらどうだろう。「電子政府の総合窓口(e-gov)」があるのだから、そこに統合してもよさそうなもの。Webサイトなどの「実体」を組織毎にもつ必要は必ずしもなく、「仮想化」して利用者がシームレスに必要な情報を入手、利用できれば多くの人が幸せなんじゃないだろうか。中の人を除いて。

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