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SoS (System of Systems) ~ 現実のあらゆる変化に適応する有機的システム工学

全体最適と局所最適について調べていて、SoS (System of Systems)というものにふと目がとまったのでメモ。

  • System of systems - WikiPedia[英語]
  • 超システム工学SoS(The ObjectReport/オブジェクトテクノロジー研究所)
  • SoS:超システム工学への現実的アプローチ ー現場/チーム重視、変更自在の巨大システムを実現するモデル駆動工学(リンク先ページにPDFあり)

    SoSとは何か? 上記PDFより一部引用:

    『SoS を直訳すると、もちろん「システムのシステム」である。しかし、システムはもともと(サブ)システムから構成されているわけで、たんに「複雑なシステム」を強調するために新語は不要だろう。ここで問題となるシステムとは、自律・分散的に存在するシステム群を、ある目的(プロジェクト)のために統合して用いるときに機能するような、システムの全体のことである。 「自律分散システムの協調」というテーマじたいは目新しいものではない。SoS が想定するのは、プロジェクトに必要なすべての要素、つまり組織編成や訓練、計画と実装、運用といった側面をも含む「システム」である。』

    NASAや米軍で研究・発展してきたというこのSoSは、プロジェクトのような「生き物」をシステムとして、計画、設計、実装、管理可能なシステムにしようというもので、絶えず前提や要求事項が変化するような現実的な状況に適応した、モデリング技術をベースとした手法のようです。いわゆる「複雑系」をコントロールする一つの解なのでしょうか?
    SoSは、柔軟性と現場重視、人間重視を特徴としているようで、例えば軍への適用において次のようなことが挙げられています。

  • 現場の判断に必要な情報を、最適なインタフェースで提供する
  • 現場の判断力を高めるためのトレーニングを実施する
  • 他の部隊、司令部との間での高度なインタラクションを支援する
  • 前出PDFの筆者、鎌田氏が「これは民間企業で必要とされているものと変わらない」としているように、これは確かに自律分散型、ネットワーク型組織に必要な要素とも重なりそうです。実際、SoS発展の動機の一つとなった米陸軍のFCS (Future Combat System)とその関連プロジェクト参加企業を中心に、ビジネスへの応用も注目されているようです。

    以前から複雑系や自己組織化理論などに興味がありましたが、システム工学としてここまで大規模なものがすでにできていることには驚きました。もう少し、複雑系方面の文脈に登場してもいいような気がしますが、どうなんでしょうかね。

    (goo blogより移植)

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