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Echobox「Nomad N1」先行レビュー 〜卓越したディティール表現と一点の曇りもないサウンド

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再びREVおじさんからお借りしたサンプル機ですが、今回は現時点では未発売の機種 Echobox「Nomad N1」のレビューです。
本格量産前のプリプロダクションのサンプル機のようですが、音についてはほぼ製品版と同等とのことで、早速レビューにいってみたいと思います。

Echoboxの新フラッグシップモデル「Nomad N1」

Echobox社については、前回のレビューでも簡単に紹介しましたが、これまで、同社のイヤホンは「Finder X1」が唯一で、代表的な製品として知られていました。

ただ、2015年の Finder X1 の発売からしばらく経っており、Echobox 社としてもより上を目指すべく開発されたであろう機種が、この「Nomad N1」で、同社の新しいフラッグシップ機として位置づけられています。

発売時期は現時点では未定のようですが、海外ではプレオーダーが始まっており、標準価格が399ドル(税抜約45,000円)、とイヤホンとしてはミドルレンジに位置するモデルになりそうです。

フラッグシップにふさわしい隙のないサウンド

聴いてみてすぐ感じたのは、「Finder X1」で感じていた不満点がほぼ全て解消され、一段とハイレベルになっているということ。
ドライバーには、Finder X1で採用したPEEK振動板をさらに改良したものを搭載しているようで、硬質で高解像度な音質傾向は似ているものの、周波数レンジが広がっていることが感じられ、明らかにグレードアップしています。

例えば、Finder X1 では、超低域20Hz以下の音がストンと落ちる傾向がありましたが、Nomad N1 では20Hz以下もスムーズに出るようになり、トーンジェネレーターアプリで試したところでは、6Hz辺りまで何の問題もなく聴こえます。また、上側もレンジが広がっているようです。Finder X1 では17kHzの音が聴こえなかったのですが、Nomad N1では、17kHzの音もしっかり聴こえました。

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17kHz の音が聴こえるかどうかのチェックは、上記サイトの「Mosquito Tone 2 (Modulated)」を再生して判定。 このテスト音源は、こんな風に 17kHz〜20kHz の間を行ったり来たりする音なので、17kHzが聞こえれば「チッチッチッチッ…」という音がします(注:耳年齢によります…)。

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これにより、超高域から超低域までほとんど歪を感じない、全帯域にわたって精緻なサウンドが実現し、超低域の恩恵とも言うべき空間や臨場感の表現が Finder X1 と比べても格段に良くなりました。


ItaloBrothers - Generation Party
ベースの音域が超低域にわたっているこの曲、超低域が聴こえるかどうかで空気感などの印象も変わってきます。 (ItaroBrothers、来日しないかなぁ…笑)


また、レンジが広くなっただけでなく、一点の曇りもない精緻なディティール表現も特筆すべき点で、ヴォーカルや楽器の微妙なニュアンスから音像定位、空間の広さなど、このクラスの数ある競合機のなかでも際立つポテンシャルを持っています。


Katie Melua - I Will Be There (Full Concert Version)
Katie Melua のフルオーケストラによる一発録りの風景と思われる珍しい映像。全員 beyerdynamic のモニターを着けているのも面白いですが、ミキシングされた各楽器の音像定位が、Nomad N1 によりクッキリと浮かび上がります。


装着感の非常によいハウジング形状

Echobox Nomad N1 は耳に掛けて使う、いわゆる「シュアがけ」式のイヤホンですが、数あるシュアがけ式イヤホンの中でも、装着のしやすさはトップクラスでしょう。
ハウジングの形状、ケーブルの出ている角度などが絶妙で、すっと耳に入り何の苦労もなくピタリと収まります。

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ハウジングの造形も、あまり見たことのない複雑な曲面で構成された形状をしており、装着感にはかなりこだわって作られたであろうことが伺えます。

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MMCX端子搭載で、リケーブル/バランス化も可能

上の写真でもわかるように、Nomad N1 はMMCX端子を採用し、ケーブルの交換(リケーブル)が可能になっています。
試しに、手元にあった PW Audio の No.5 JP 2.5mmバランス仕様のケーブルをつないで、AK70のバランス出力で聴いてみた所、低域・高域ともに一段とレンジが広がったような感覚で、これはリケーブルも楽しめそうです。

尚、標準添付のケーブルは、Finder X1 と同様のストレートプラグで、お借りしたサンプル機はリモコン付きでした。

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素材の味を出し切るモニターライクな万能イヤホン

Nomad N1 は、イヤホン自体で音色を作るタイプではなく、素材の味をそのまま出し切るタイプなので、プレイヤーや音源によっても評価が変わると思います。
ただ、解像度が非常に高いので、聴き疲れする心配はありますが、Finder X1 の時に試したように、間に真空管ヘッドホンアンプを介したり、ケーブルを替えることで、持ち味を損なうことなく各々の好きな音にチューニングできそうです。

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また、Finder X1 と同様にチューニング用のフィルタが3種類選べるようになっているので、高域・低域の調整ができます。
3種類試してみたところでは、赤の高音強調タイプのフィルタでも高域が強調されすぎることなく、バランスよく低音も楽しめる印象です。ただ、Nomad N1 自体、低域の歪みがほとんどなくブーミーさが全く無いので、標準のシルバータイプのフィルタでも低音過多には感じませんでした。

Echobox Nomad N1は、総合的に極めて完成度が高いイヤホン

アレコレ試したりした結果、Nomad はまさに Echobox がフラッグシップと呼ぶのも頷ける、極めて完成度の高いイヤホンと言えそうです。
最初の印象では Echobox 特有の音の「硬質さ」が気になっていましたが、聴きこむほどに良さを感じ、今では「これ欲しい」と思わせるものになりました。

おそらく国内では4〜5万円の価格帯になるのではないかと思いますが、その価格帯のイヤホンを語る上で外せない機種になることは間違いなさそうです。発売が待ち遠しいです(笑)



Armin van Buuren & Garibay - I Need You (feat. Olaf Blackwood)
Nomad N1 でぜひ聴くべき曲。爽快なリズムと Olaf Blackwood の冴え渡るヴォーカル、Armin ならではの計算され尽くしたグルーヴとサウンドアレンジが、最高に心地よく楽しめます♪