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Fluffy white croquis

日々の思索のためのクロッキー帳。オーディオやオススメなども。

「beyerdynamic CUSTOM STREET」ついに国内正式発売!先行レビュー 〜高音質ハイコスパのストリートヘッドホン

オーディオ 道具
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beyerdynamic のヘッドホン「CUSTOM STREET」が、ついに日本でも正式発売されることが決まりました!(2016.1.23国内販売開始)

beyerdynamic(ベイヤーダイナミック)」と言うと、普通の人は「へ?」となるかもしれませんが、ドイツに本社を置く、オーディオ・放送業界では老舗のオーディオブランドで、1937年に世界初の「ダイナミック型ヘッドホン」を開発したメーカーとしても知られ、元祖ヘッドホンの生みの親のような会社です。

そのため、「beyerdynamic のヘッドホン」は古くからその音質に定評があり、業務用のみならず多くのオーディオ愛好家にも親しまれています。さらに、同社は音質の追及に余念がなく、近年では小型MRI並みの強力な磁力でより正確な音を再現する「テスラドライバー」など革新的な技術を開発し、高級ポータブルオーディオブランド「Astell&Kern」とのコラボレーションモデルを発売するなど、オーディオ界隈では実はとても有名なメーカーなのです。

Astell&Kern テスラドライバー搭載イヤホン AK T8iE ブラック  AK-T8IE-BLK

Astell&Kern テスラドライバー搭載イヤホン AK T8iE ブラック AK-T8IE-BLK

そんな「beyerdynamic」から2016年1月下旬23日に国内発売が決定しされたのが、「CUSTOM STREET」という機種。日本ではTEACが輸入代理店として、同社のプロフェッショナル向けブランド「TASCAM」での取り扱いになっています。

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上位機ゆずりの機能を凝縮し、タフさを兼ね備えたコンパクトオンイヤーヘッドホン

このヘッドホン、2012年に発売された上位機「CUSTOM ONE PRO」という機種(オーバーイヤー型)の小型版(オンイヤー型)という位置づけになりますが、beyerdynamic らしい繊細かつダイナミックな安定感のある高音質に「CUSTOM ONE PRO」ゆずりの「低音可変機構」、ハウジングのデザインパネルを交換カスタマイズ可能な「カスタムプレート」を備え、さらに名前に「STREET」とあるように、ストリートでの使い勝手を重視したタフさとコンパクトに折りたためる折りたたみ機構などを備えています。

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日本で人気がある、ほぼ同価格帯・同一ターゲットのヘッドホンとしては、以前レビューした「beats solo2」が有名ですが、「CUSTOM STREET」の音を一度聴くと、もう戻れなくなるかもしれません。

海外ではすでに発売されていたものの日本では未発売だった

「CUSTOM STREET」は、海外では2014年末には発売され、年明けの「CES2015」に登場していましたが、日本ではなかなか発売されませんでした。ところが昨年秋、楽器・DJ専門ショップの「ミュージックハウスフレンズ」さんが、直輸入版を数量限定で販売しているのをたまたまネットで見つけ、即購入しました(笑)

「即購入」したのは、「これは間違いない」と直感的に確信が持てたからです。直感のもととなったのは、

  • まず、自分が普段「beyerdynamic」のヘッドホン「T51p」を日常的に「リファレンス」として使っている点。
  • eイヤホンなどの店頭で同社製の何機種かを試聴してみて、どの機種も間違いなく一貫した自然な高音質を実現している点。
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その beyerdynamic がストリート向けの機種を出したらどうなるか?は、自ずと答えが出ているようなものでした。
さらに、CES2015での発表時から評価が高いという点も見逃せません。

というわけで、国内版正式発売より一足早く手に入れていた「CUSTOM STREET」を実際にしばらく使ってみた結論から言うと、「これを買わない理由が見当たりません」

小型軽量なだけでなく、とても「タフ」で取り扱いが楽

beyerdynamic のヘッドホンは、普段使っている T51p もそうですが、ケーブルが細めでちょっと心もとない感があります。もちろん上位機種では着脱式のケーブルが採用されていますが、「CUSTOM STREET」のケーブルは「CUSTOM ONE PRO」と同じ機構の太めの丈夫な着脱式ケーブルが採用されているので、かなり安心感があります。
さらに、本体側は左右どちらにケーブルを挿しても使えるようになっており、空いている方のヘッドホンジャックに別のヘッドホンのプラグを挿すことで、同時に2人で同じ音楽を聞くことができるリア充機能も搭載されています。

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折りたたみ機構の他、折りたたんだ状態で収納できるセミハードのキャリングケースも付属していますが、全般的な感想として、多少雑な取り扱いをしても大丈夫そうな、「タフさ」があり、名実ともに「STREET」で気ままに使える安心感があります。

イヤーパッドはとても柔らかく耳にフィットし、側圧もそれほど強くなく、かといって外れやすいということもありません。実際、長時間つけて歩きまわっていてもほとんど耳が痛くならない、絶妙なフィット感です。装着感は beats solo2 より上質な気がします。

遮音性もほどよく、電車を乗り過ごすほどではない程度には周囲の音が聴こえますが、適度に街の雑踏や車道のノイズを抑えてくれ、まさにストリートユースに最適といった感じです。
音漏れはかなり少ない方で、比較してみると beats solo2 よりも少なく、公共交通機関内での利用もほとんど問題なさそうな感じです。

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尚、ヘッドバンドは円形ではなく、頂上部がやや平坦になっており、その部分の内側にイヤーパッドと同じ触感のパッド(交換可能)がついています。おそらくこの頭頂部のパッドによって3点支持にすることで、イヤーパッドの側圧が弱くても外れにくくなっているのではないかと推測されます。
頭頂部の毛髪の生育状況が気になる方、頭頂部の摩擦係数が小さめの方は、一度装着感を確かめてからの購入がおすすめです。

純真無垢で爽快、ヌケのよい中高域と、他に類を見ない迫力の超低音域!

さて、気になる音質ですが、beyerdynamic のヘッドホンの音を聴いたことがある人には「あの音」をちょっとやんちゃにして、サブウーファーを追加しような感じと言うとわかりやすいかもしれません。

聴きやすさを重視してか解像度は上位機ほどではないですが、このクラスとして十分な解像度があり、繊細で精緻、音場が広く定位が抜群でヌケのよい、紛れもないベイヤーサウンドです。「こもり」とは一切無縁の、広々とした空間で音が自由に跳ねまわるイメージで、音場が広くヌケが非常に良いので、密閉型なのに開放型かのような爽快感があります。
上位機の「CUSTOM ONE PRO」と比べると中音域のツヤや音の緻密さではやはり「CUSTOM ONE PRO」に軍配が上がりますが、「CUSTOM STREET」もかなり肉薄しています。

beyerdynamic のDNAを確実に受け継いだ、純粋無垢でクセの少ない音は、あらゆるジャンルにマッチしそうです。

低音スライダーOPENで本領発揮!

低音調整用「サウンドスライダー」は3段階調整できるようになっており、完全に閉じた位置では、ドライバーの素の音を聴いているような感覚で、低音は全く出ない替わりに中高音域がリアルに再現され、中高域を中心とした楽器音や高音女声ヴォーカルのモニターにも使えそうなクオリティです。

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ここで、スライダーを1段階開くと、CUSTOM STREET の本領発揮です。

ラウドネス」をかけたように、繊細で精緻な高域はそのままに、わずかに中音域が抑え気味になり、歪みをほとんど感じない重厚な低音が響きます。そしてこの低音は超低音域まで伸びています。しかしこれだけ低音が出てもこもり感は全く無く、中高音域はどこまでも気持ちよく伸びます。
正直、20Hz付近の超低音域まで歪み少なく自然に鳴らしきるヘッドホンに出会ったのは、初めてかも知れません。


INNA feat. YANDEL - In Your Eyes
最近、超低音域の再現性テストによく使っている曲。0:28〜0:29 にかけて超低音域にスウィープするベース音が、「CUSTOM STREET」ではまるでイヤホンで聴いているように、音というよりはむしろ空気振動に近い最低域まで自然に聴こえます。


一般的に「重低音」と呼ばれているのは、せいぜい100〜50Hzくらいまでのもう少し高い音ですが、「CUSTOM STREET」はさらにその下の超低音までサラっと出します。人間の可聴域下限は20Hzとされていますが、サイン波トーンのテスト音源で確認してみると、自分の耳では14Hzまでは聴こえました。

エレクトロニカ、EDMや Hip-Hop、最近の洋楽など、超低音域のふんだんに入った曲が、本来のバランス・迫力で聴ける数少ないヘッドホンかもしれません。大迫力サウンドの映画視聴にもよさそうです。


Nikonn - Sparks (feat. Maroula)
超低音のベースでリズムを刻むエレクトロニカ系のこの曲も「CUSTOM STREET」なら超低音域の物足りなさも感じずに気持よく聴けます。


ちなみに、スライダーをもう1段階開いて全開(2段階OPEN)にすると、より低域が支配的になり、中低域のバランスも変わってきます。こちらはもう少し高い低音域も強調されるので、Rock系にも合いそうなバランスです。この辺りは曲によって色々試して見ると面白そうです。個人的には、普段使いには「1段階OPEN」がオススメな感じです。

外で聴いた時のキレのよさと開放感が最高に気持ちいい!

高音から低音まで全帯域にわたって、全く嫌味のない音を出す優等生「CUSTOM STREET」、1万円台クラスのヘッドホンの中では頭一つ飛び抜けてます。

音のキレもよく、かと言って「キレッキレ」まではいかないので聴き疲れしにくく、実際に「ストリート」で歩きながら聴くと、ヌケのよい高域がどこまでも広がっていくような開放感があり、キレの良い中高域と、どっしりと安定した広大な低域に包まれて最高に気持ちよく、このままどこまでも歩いて行きたくなります(笑)


DJ Antoine vs Timati feat. Kalenna - Welcome to St. Tropez (DJ Antoine vs Mad Mark Remix)
ヘッドホン・イヤホンの全体的な音の傾向をつかむのによく使っているCoolなDanceチューン。周波数レンジ、キレのよさや刺さり具合、こもり感や低域の質などが総合的にチェックできるので重宝しています。「CUSTOM STREET」ではサイコーに気持よくノリノリで聴けます。



Get Lucky - Karen Souza
Daft Punk の「Get Lucky」をジャズシンガーの Karen Souza がカバーしたもの。
アコースティック楽器や女声ヴォーカルの生々しさ、空気感も「CUSTOM STREET」は beyerdynamic らしい繊細・精緻なサウンドで見事に表現します。とても1万円台のヘッドホンとは思えません。


デザインを変えられるので、ファッションアイテムとしてもGood!

beyerdynamic CUSTOM STREET」のもう一つの「カスタム」は、ヘッドホンのハウジング表面のパネルを交換してデザインを変えることができる点です。

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オーバーヘッドタイプの上位機「CUSTOM ONE PRO」の後継で現行機の「CUSTOM ONE PRO Plus」に付属している16種類のデザインのカスタムプレートをそのまま CUSTOM STREET 用に小さくしたプレートと、取り外し/取り付け用の六角レンチが付属しています。

今のところ、本体のカラバリは、「ブラック」と「ホワイト/グレー」の無彩色のラインナップなので、このプレートをカラフルなものに交換したり、あるいはモノトーンにしてみたりと、ファッションに合わせたカスタマイズができます。

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オシャレな「ブランドヘッドホン」として人気の beats のヘッドホンを街でよく見かけますが、あまりにメジャーすぎるものは他の人と被りそうで避けたい、という個性派の方には特におすすめです。

女性が装着するとこんなイメージです。

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※妻にモデルになってもらいました

カスタムプレートが創作意欲をかきたてるのでクリエイターにもオススメ!

プレートは標準の「CUSTOM STREET」と書いてあるものが金属板で、それ以外はプラスチック板に印刷したものなので、同じ形と大きさのプレートを作ればオリジナルデザインが簡単にできそうです。

最近はレーザー加工機を使える場所も増えてきたので、商品並みの高品質なデザインもできそうですね。

名古屋ならここ

秋葉原ならこことか?

大阪ならこことか?

初めての1万円台のヘッドホンとしては無敵のベストバイ!?

実際使ってみた感想を長々と書いてみて、一見いいことづくめのようですが、実際いいことづくめです。かなり気に入ってます(笑)

難点があるとすれば、

  • 付属のキャリングケースがちょっとデカイ。かなりデカイ。
  • 首に掛けた時に、ハウジングを90度回転させてフラットにできるのがイヤーパッドが上になる側だけで、カスタムプレート側を表にした状態でフラットにするには、左右を逆にしないといけない(しかしそうするとヘッドバンドの「beyerdynamic」のロゴが上下逆になってしまう/ケーブルはどちらに挿してもL/Rは固定)
  • 濃厚で近い音が好みの方には、音が広がり過ぎて薄いと感じるかも
  • 柔らかい音が好みの方には、音が刺激的すぎると感じるかも
  • 一般の人がメーカー名を知らない。(が、知っている人が見れば「おぉ」となるのでポイント高い)

といった所でしょうか。

いずれにしても1万円台でこんな音が出せるヘッドホンに今まで出会ったことがありません。(※出会う確率には個人差があります)

オーディオには詳しくないけど、ちょっと奮発して初めて1万円台のヘッドホンを買ってみようという方にも、普段は高級ヘッドホンを使ってるけど、多少ラフに使えるサブ機が欲しいという方にもおすすめです。