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Fluffy white croquis

日々の思索のためのクロッキー帳。オーディオやオススメなども。

Bluetoothステレオレシーバー「Bluedio EH」が意外に高音質でよかった件

オーディオ 道具 テクノロジー Tips 工作・DIY レビュー

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先日作った「Bluetoothワイヤレスオーディオレシーバー(受信機)比較一覧」ですが、もともとこのリストを作ったのは、「好きなイヤホンを挿して外で使える小型の Bluetooth オーディオレシーバー」が欲しくて、どんな製品があるのか比較してみようというのがきっかけでした。

謎の中国メーカー「Bluedio」

Amazon の価格というのは数分で変化してしまうこともあり、リストを作っている最中にリロードしたら価格が変わっていたということもしばしばありますが、リストを作った当初4,150円で出ていたものが、急に3,000円に値段を下げたものがありました。「Bluedio」という中国の Bluetooth 機器を専門に作っているメーカーの「Bluedio EH」という製品なのですが、比較的新しい製品らしく、 Bluetooth 4.0 と aptX に対応しボイスコントロールも備えるなど、機能面はなかなか充実しています。

ちなみにこのメーカー、もともと「bluedio.com」というドメインだったはずなのですが、リストを作っている最中に「bluedio.com」ドメインがクローズされてしまい、何の案内もなく社名「Guangzhou Liwei Electronics」と所在地(広東省)からとったと思われる「gdliwei.com」というドメインにサイトが移転してしまったという、謎なメーカーです。(この新しいサイトを見つけるのに随分苦労しました)

あえて冒険してみた

Bluetoothワイヤレスオーディオレシーバー(受信機)比較一覧」を見れば、コストパフォーマンス的に手堅いのは、ELECOMの新製品「LBT-PAR150」あたりでしょうが、この所「FiiO E07K」「TOPPING VX1」など、中国メーカー製品で予想外によい手応えを感じていたので、あえて冒険をしてみようと、この謎のメーカー「Bluedio」製の「Bluedio EH」を注文してみました。4色のカラバリがありますが、塗装の状態が心配なので無難でブログ用に写真も撮りやすい「ホワイト」にしました。

簡素ながらマグネットを使った扉付きパッケージ

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届いたのは、モノトーンで印刷された白い箱。「Bluedio」というブランド名と機種名はシルバーで箔押し印刷してあります。

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“DESIGN AND FASHON” という文字がチープ感を出してしまっていますが(なければもっとよかったのに…)、厚みのあるしっかりした紙で、右側がマグネットで留まっていて扉のように開くようになっています。

本体は約8.5gと小型軽量

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隣の iPod Shuffle (2nd) とくらべてもかなり小さく、メーカーのサイトにも重量が記載してありませんでしたが、料理用の秤で量ってみると約8.5gでした。現行の iPod Shuffle (4th) が約12.5g、先に挙げた ELECOM LBT-PAR150 が約13gなので、かなり軽いです。
その割には、連続待受時間約300h、連続再生約5hを謳っているのでなかなか優秀です。(ELECOM LBT-PAR150 は連続待受時間約200h、連続再生約8h)

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マニュアルは英語と中国語のみ。ステレオイヤホンも付属していますが、音質はこもった感じでイマイチなのでオマケ程度と思っておいた方がよいでしょう。マイクは本体側についているので、他のイヤホンやヘッドホンを接続してもヘッドセットとしての通話は可能です。

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裏側はペンのような簡素なクリップがついていますが、ちょっとゆるくて薄いシャツのポケットではすぐにスルッと外れてしまい、ポロシャツやネルシャツ、スーツのポケットくらいの厚みがないとしっかり固定できなさそうです。
充電は、下のカバーを外すと microUSB 端子が現れるので、付属の USB ケーブルで充電します。2時間でフル充電になります。(充電中は使用できないようです)

早速ペアリングして聴いてみたところ…

結論から言うと、予想外に音質がよいです。しかもSBCで。
「aptX対応」が売りでもあったので、MacBook Air (Early 2014) で aptX 接続を試みましたが、どうもネット上で探した方法では aptX 接続ができず、SBC になってしまいました。

しかし、困ったことにSBC接続でも音質がかなりよいのです。圧縮っぽいノイズもほとんど感じられず、力強くシャープな音が出ます。SBC と aptX を比較して「さすが aptX」という記事を書こうと思っていたのに、肩すかしをくらった感じです。

静かな室内で聴くと若干低音が強めに感じますが、Bluetoothレシーバーの活躍の場である屋外で使用する場合は、周囲の雑音などで低音が聴こえにくくなるため、帯域バランスとしては程よい感じです。
無音時に若干のホワイトノイズはありますがほとんど気にならないレベル。音楽信号が止まって数秒すると待機モードになって完全な無音になります。

「SBCは音質が良くない」は完全に過去のもの

Bluetooth オーディオ機器は、以前「「Bluetoothオーディオ」の仕組みと用語 〜Bluetoothスピーカーやヘッドホンを選ぶ際におさえておきたいポイント」で解説したように、オーディオ圧縮方式はデフォルトでは「SBC」という方式です。 「aptX」のメリットを説明する際に未だに、「SBCは高圧縮低品質」とか「aptXはSBCとくらべて圧縮率が低い」といったことを書くライターもいますが、今時の Bluetooth オーディオ機器は、転送レートを実測してみるとA2DP規格で定められた最高品質モード「328kbps」で圧縮しているようです。

SBC データ転送レートの実測値

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どちらも平均「41900 bytes/sec」程度ですが、bps(bits/sec)に換算すると、ちょうど 328kbps 程度になります。

A2DP」規格仕様書のSBCデータ転送レート

Table 4.7: Recommended sets of SBC parameters in the SRC device
SBC encoder settings* Middle Quality High Quality
Mono Joint Stereo Mono Joint Stereo
Sampling frequency (kHz) 44.1 48 44.1 48 44.1 48 44.1 48
Bitpool value 19 35 35 33 31 29 53 51
Resulting frame length (bytes) 46 83 83 79 70 66 119 115
Resulting bit rate (kb/s) 127 229 229 237 193 198 328 345
Other settings: Block length = 16, Allocation method = Loudness, Subbands = 8

Bluetooth オーディオ(A2DP)の標準圧縮方式「SBC」は、MP3やAACなどとは基本原理が異なる「SB-ADPCM(サブバンド適応的差分パルス符号化)」という方式ですが、単純に「圧縮率」という点で比較すると iTunes ストアや Amazon MP3 でダウンロード販売されているデータのビットレートが 256kbps なので、実際の所、MP3などと同等の音質を実現可能な技術と言えます。ちなみに高音質を謳った「aptX」は 352kbps。

以前紹介した、『Olasonic 完全読本』付録の Bluetooth レシーバー「OLA-BT1」も圧縮方式は「SBC」ですが、アナログ側回路の最適化で高音質を実現しています。

Bluetooth オーディオ機器が出始めの頃は、通信の安定性の問題やオーディオに割り当てられるデータ量におそらく制限があり、上の表で言う「Middle Quality」のビットレートが使われていたために「圧縮率が高いため音質がよくない」と言われていたのではないでしょうか。

意外に多彩な機能

MacBook Air の「Shift」キーくらいの大きさの「Bluedio EH」ですが、機能面が意外に充実しています。「OLA-BT1」以外に Bluetooth レシーバーを持っていないので、これが普通の機能なのかどうかわかりませんが、いくつか紹介したいと思います。

NFC対応

iPhone しか持ってないので試していませんが、NFCに対応した Android 端末なら、NFCでペアリングが可能です。最近の機種は大抵対応しています。

いちいち英語でしゃべる

電源をONにすると “Pairing!"、電源をOFFにすると "Power OFF!” と英語でしゃべります。設定で中国語にも変更できるようです。もちろん日本語にはできません。

携帯2台同時ペアリング&音声コマンドで着信時に"Yes"と言えば通話可能

特に珍しい機能ではありませんが、2台の携帯電話と同時ペアリングが可能な他、音声コマンドによるハンズフリーフォン機能で、着信時に “Yes” と言えば通話開始、"No" と言えば着信拒否できるようです。

で、早速試してみました。着信すると再生中の音楽がミュートし、"Yes or No?“ という英語の音声が聞こえます。ここで、"Yes!” と言えば通話可能なのですが、自分の “Yes” の発音が悪いのか、何度も失敗し5回目でようやく通話できました(汗
ちなみに “No” の方はほぼ一発で着信を切ることが出来ました。高須院長のように “Yes!” を一発で決められるようにしたいと思います。

さらにマニュアルには、1台の携帯で通話中にもう1台の携帯に着信があっても、ボタン操作で通話中の携帯を保留にしてもう1台の着信に応答したり、通話中の携帯を切ってもう1台の着信に応答する方法などが書かれていました。個人用と会社用で2台持っている人などにはいいんじゃないでしょうか。

ペアリングした iPhone にバッテリ残量が表示される

iPhone とペアリングすると、画面上の Bluetooth マークの右に小さな電池のアイコンが表示され、「Bluedio EH」の電池残量がわかるようになります。これは何気に便利です。

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ちなみにバッテリが切れる際は、1分前に「プププッ」と警告音が鳴り、1分後にプツッと切れます。

動作しない謎の「イコライザー」機能

まだまだ機能があります。ボリューム/選曲ボタンを同時押しすると「Standard, Treble, Bass」の3種類のイコライザーモードを切り替えられるとあります。がしかし、同時押しの確認音はするものの、どういうわけか何度押しても音質は変化しません。謎です。

SCMS-T非対応

中国製なので、当然日本独自のワンセグ音声(の著作権保護機能)には対応していません。個人的には全く必要のない機能なので特に困りません。

小型軽量なのをいいことに…

以前100均のケーブルで「ステレオミニ中継コネクタ」を作りましたが、プラグ部分が2つ余っていたので、これを半田付けして「ステレオミニ オス⇔オス プラグ」を作ってみました。

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そこで、片方を「bluedio EH」に挿して、もう片方を先日ゲットした「beats solo 2」に挿すと…

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あっという間に「Bluetooth ヘッドホン」の出来上がり〜!(^o^)/
ヘッドホン側にステレオミニジャックがついていてケーブルが交換できる機種なら、こんなことも出来ます。

市販品ではこの辺りでしょうか。「beats solo2」の場合は、かなり細いプラグでないと入らないので自作でないと難しいかもしれません。

3.5mmステレオミニ(オス/オス)アダプタ

3.5mmステレオミニ(オス/オス)アダプタ

オススメか?と言われると万人向けではないけれどソソられるアイテム

この「Bluedio EH」、色々謎な部分はありますが、実用上はなかなか使えます。昨今では安価な電子機器は中国製品がかなり幅をきかせていて、時々思わぬ掘り出し物があったりします。マニュアルが英語/中国語のみなど、万人にオススメはしませんが、ちょっと人と違ったものを使ってみたいという人にとっては、手を出してもよさそうな製品だと思います。

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