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思索と探索のクロッキー帳。オーディオや音楽の話題、レビューなども。

コンデンサーを変えてみた〈前篇〉〜『Stereo』誌2014年8月号付録スピーカー+ムック付録エンクロジャーで遊ぶ

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先日完成した、『Stereo』誌2014年8月号付録の Fostex 2 Wayドライバー+ムック付録の専用エンクロジャーのスピーカー「プチ改造版」ですが、

前回の記事の最後で「とあるパーツ」と予告したのは、大方の予想通り、トゥイーターのネットワーク用「コンデンサ」です。 (「コンデンサ」は「キャパシタ」と呼ばれることもあります)

『Stereo』誌2014年8月号にも P.148〜155 辺りに比較試聴の記事がありますが、今回、そこで紹介されているコンデンサーを実際にいくつか取り寄せてみました。

ウーファーとトゥイーターの2つのスピーカーが搭載された「2 Way スピーカー」では、トゥイーターに不要な低域の大きな信号が流れないように、コンデンサー(ハイパスフィルター)によって高音域の信号だけを通すようになっています。また、ウーファーには通常、不要な高域の信号を流さないようにコイル(ローパスフィルター)で低音域の信号だけを通すようにしますが、今回のキットのウーファーは、上限が23kHzという実質的にはフルレンジスピーカーで、特にローパスフィルターを介さないのがメーカーの推奨のようです。

『Stereo』8月号付録スピーカーに付属のコンデンサーはイマイチ?

『Stereo』8月号では福田雅光氏の記事でも、生形三郎氏の記事でも、専用エンクロージャーキット『Stereo』8月号付録スピーカーに付属のコンデンサについては「動作確認用」「粗野でワイルド」などと酷評されています。

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『Stereo』誌付属のコンデンサ

もともと、現自宅のオーディオシステムが、このスピーカー+デジタルアンプ(Topping VX1) のシステムになった時点で、従来のオーディオシステムと比べれば格段に音質が向上しているので、当初はキットのままでもわりと満足していました。

しかし、せっかくの自作スピーカーならではの愉しみとして、比較的安価で手に入るということもあり、コンデンサーを変えてみない手はないと思い、記事を参考にいくつかネット通販で取り寄せてみました。

今回取り寄せたのは次の4種類

当初は、福田氏の記事で最高評価の2種類「PARC Audio」「Intertechnik AUDYN QS6」だけ取り寄せようと思っていましたが、せっかくなので、次点に挙げられいた「Dayton Audio」「Jantzen Audio Z-Standard」もあわせて取り寄せてみました。(『Stereo』効果か、PARC Audio 製と AUDYN QS は軒並み品切れになっているようです…)

→上記2点:コイズミ無線さんにて購入

→上記2点:横浜ベイサイドネットさんにて購入

追記(2014.8.9):
コイズミ無線さんで全て揃うようです。

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コンデンサー交換比較に先立って、ジャンパー線の交換とエージング

コンデンサーの交換、比較試聴に先立って、まずスピーカー自体が組み上がったばかりでエージングも充分でないので、

  • ウーファーからトゥイーターへのジャンパー線をキット付属のものから太めのケーブルに変更
  • 少し鳴らしこんでエージング

を行いました。

ジャンパー線用のケーブルは当初、実家のシステムのスピーカーケーブルに使っている「アクロテック」の6N(純度が99.9999%の無酸素銅)ケーブルの余りを使おうと思っていましたが、ちょっと見つけられなかったので、一時スピーカーケーブルとして使っていた少し太めの平型ケーブルを使いました。

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キット付属のジャンパー線(AWM 1007/導体:すずメッキ銅より線Φ1mm)は導体抵抗が37.9Ω/km(20℃)、交換したケーブル(導体:銅より線Φ1.5mm)は 14.7Ω/km(20℃) なので、わずかながら電流が流れやすくなったはずです(気休め程度ですが)。

また、鳴らしこみ(エージング)でウーファーのエッジが柔らかくなったのか、低音がだいぶ出るようになってきました。

コンデンサーを週替りで交換して比較の予定

下記4種類のオーディオ用フィルムコンデンサーの比較にあたって、当初は順に付け替えて一度に比較しようと考えていましたが、それぞれの特性やジャンルとのマッチングなどを充分把握できるように、1週間毎に交換して様々なジャンルの音楽を充分に聴きこみ、〈後編〉でその結果をまとめたいと思います。

メーカー 銘柄・規格 『Stereo』誌 福田氏評価 購入単価(税込)
Jantzen Audioデンマーク Standard Z-cap 1.0μF 76点 298円
DAYTON AUDIOアメリカ) DMPC-1.0 / Audio Grade MPT 1.0μF 80点 158円
INTERTECHNIK(ドイツ) AUDYN QS6 MKP 1.0μF
85点 629円
PARC Audio(日本) DCP-FC001-100 / 1.0μF 85点 238円

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まずは付属コンデンサを Jantzen Audio Standard Z-cap に交換

コンデンサーの交換は『Stereo』誌の評価点の低い順にしていこうと思い、まず付属のコンデンサから「Jantzen Audio Standard Z-cap」に変えてみました。(Stereo誌には「ジャンセン」と書いてあるけど「ヤンセン」だと思う…)

交換後にまず感じたのは音が全体的に「上品」になったこと。特にピアノの響きや余韻がキレイになり、「滑らかさ」が出てきました。ただ、128kbps 程度のネットラジオの圧縮音源だと、高音の圧縮ノイズがちょっと気になる感はあります。
いずれにしても、キット付属のコンデンサーに比べれば確かに音質が向上しているので、他のコンデンサーとの比較が楽しみです。

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来週は「DAYTON AUDIO」のものに交換する予定ですが、全種類を聴いた上で〈後編〉にまとめようと思っているので、次の段階でブログ記事にするかどうかはわかりません。

お楽しみに〜。

追記:結果発表!

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