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white croquis

日々の思索のためのクロッキー帳。オーディオやオススメなども。

認知心理学と認知言語学の間の溝はまだ深い?

認知言語学×野矢先生というのを見て、思わず買ってみた本。
対談形式なので、輪に入ったつもりで読めば読みやすくもあり読みにくくもありという感じでしたが、旧来の言語学の行き詰まりから、チョムスキー生成文法の誕生、そしてそこから認知言語学がどういう経緯で生まれ発展してきたのか、生成文法などそれまでの言語学とどう捉え方や扱える範囲が違うのかについて具体例を挙げて説明してくれる本でした。

ただ、「認知言語学」の研究者との対談というだけあって、あくまで「言語学」の枠組みの中で説明しきろうという雰囲気があり、自分的には物足りない感があります。

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上の図は、Wikipediaの「認知科学」のページ掲載されている図ですが、茂木健一郎氏のクオリアマニフェストに挙げられる心脳問題といった、人間の思考や脳の働きを学際的に総合的に解明していこうというの動きの中で、本書の中で認知言語学が「言語学」の中にとどまって、そのバックボーンとなりうるかもしれない認知心理学につながる議論になっていない所は残念であると同時に、「言語学」という枠に固執する限り、また旧来の文法論のように行き詰まってしまうのではないかという余計な心配をしてしまいます。やはり言語学と心理学の間の「溝」は深いのでしょうか。

デザインの原理→認知科学認知心理学認知言語学 という、本書とは逆のアプローチで認知言語学にたどり着いた自分にとっては、頭の中の思考が表面化した形(コミュニケーションメディア)の一つとしてデザインや言語をとらえたいところであり、今後、野矢先生には認知心理学認知科学、AI(人工知能)の研究者との対談も期待してみたい所です。