white croquis

思索と探索のクロッキー帳。オーディオや音楽の話題、レビューなども。

「何が起きるか」は予測できなくても、「何が起きうるか」は予測できる

「何が起きるか」を完全に予測することはできなくても、「何が起きうるか」「何が起きる可能性があるか」は予測できる。
ある問題が起こりうることが分かっている時、それがかつ高い頻度で起きるものであったり、頻度が低くても起きたときの損失が大きなものである場合は、その対策をとらないことは過失とされても仕方がない。
この「何が起きうるか」を予測できるかどうかは、対象についてどれだけ本質的・客観的に理解しているかによる所が大きいと思う。

例えば2007年秋のF-2墜落炎上事故。直接の原因が加速度センサーの配線の誤接続だったのはともかくとして、配線を誤接続しただけで飛べない状態になってしまうのは、F-16ゆずりのフライ・バイ・ワイヤ(FBW)による操縦系統をもつF-2ならではとも言える。
電気系統が操縦系統でもあるFBW機と、ロッドやワイヤー、油圧などの機械的なリンケージによる操縦系統の従来型航空機とでは、同じ電気系統でもその意味が違う。当然、FBW機では操縦系統に関わる電気系統は機械式の操縦系統と同じレベルで、念入りに設計・製造したり点検しなければならなくなるだろう。カーステの配線が間違っていても車は走るけど、電子制御スロットルの配線が間違っていたら走れないということ。
設計者は当然知っているとしても、整備・点検項目を作った時にそれを理解した上で作っていたのかどうか。

「何が起きうるか?それによって何をするべきかが決まる。」F-2の事故は、その教訓を残してくれたと言えなくもなさそうだ。



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