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思索と探索のクロッキー帳。オーディオや音楽の話題、レビューなども。

イヤホンのエージングを静音化する「Burn-in Bottle」を作ってみた

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オーディオ用語(オーディオ界隈で語られる用語)に「エージング (Aging)」というものがあります。

エージング」については、以前にもこのブログで何度か触れていますが、英語圏では "Burn-in" とも称され、主にスピーカーやイヤホン・ヘッドホンのドライバーなど可動部(振動板やそれにつながる部品)の動きを、新品の状態から一定期間以上音を鳴らしてほぐしたりすることで、機器が本来持つ性能を引き出そうという試みや結果としての状態を指したりします。

エージング」には、こうした物理的な変化の側面以外にも、ちょうど新しいメガネを作った時など、初めは違和感があったものが徐々に慣れていくように、脳が新しい機器の音に慣れる「心理的エージング」も含んで語られることもあり、「物理的エージング」も含めてその有無や真偽を巡って、しばしば論争になることもあります。

今回はそれはさておき、新しく買ったイヤホンに「物理的エージング」を行うために、身近なもので簡単に作ることができる便利な道具と作り方を紹介したいと思います。

イヤホンのエージング時の難点「うるさい」

イヤホンの「エージング」は、概ね「ピンクノイズ」と呼ばれるノイズや音楽を、何十時間、場合によっては何百時間流し続けるため、電車の中での音漏れと同様に「シャー」という音が四六時中流れ続けます。簡単に言えば「うるさい」です。

このエージング中の「うるさい音」をほぼ無音化してしまおうというのが、今回紹介する「バーンイン・ボトル(Burn-in bottle)」です。 名前は勝手につけました(笑)

注目した素材はガラス瓶と栓

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Beats 新エントリーヘッドホン「Beats EP」レビュー 〜 Beats の皮を被った Apple 製品?〜

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去る 2016年9月8日(日本時間)に、予定通り3.5mmヘッドホン端子が廃止された「iPhone 7, iPhone 7 Plus」が発表され、賛否両論が飛び交っていますが、今回は、その影で何の宣伝もなく突如オンラインの Apple Store に現れた謎のヘッドホン「Beats EP」を(おそらく)最速で発注しゲットしたので、そのレビューです。

正直な所この「Beat EP」、今までの「Beats のヘッドホン」のイメージを(良い意味で)根底から覆しそうなヘッドホンです。

プレスリリースにも登場しなかった「Beats EP」

Apple のイベントに合わせて、Apple が 2014年に買収した Beats by dr.dre ブランドのプレスリリースにて、BeatsXSolo3 WirelessPowerBeats3 Wireless の3機種が発表されましたが、そこでは「Beats EP」は取り上げられていません。

おそらく、今回のプレスリリースは iPhone 7 からヘッドホンジャックが廃止されたことを受けて、「ワイヤレス機」に絞ったものだったためだろうと推測されますが、各メディアは基本的にプレスリリースをもとに新製品ニュースを掲載するため、未だに「Beats EP」だけは、国内大手メディアでも一切紹介されていないままとなっています。

では、どうして「Beats EP」気づいたかというと、自分が昨年 iPhone 6s を購入した関係で、iPhone 7 にはそれほど関心がなかったのと、Ligntning 端子からアダプタを介して USB DAC を接続してハイレゾ音源を再生可能な環境をすでに構築済みで、ヘッドホンジャックがなくなっても別に困らない人だったためです。

それゆえ、発表後にオンラインの Apple Store が再オープンするや否や、多くの人がおそらく iPhone 7 のページに向かったであろう所を、自分は「アクセサリ」のページに直行しました(笑)

最速で「Beats EP」をゲット!

Apple Storeの「アクセサリ」のページで最初に見たかったのは、Lightning 端子を3.5mmオーディオジャックに変換するケーブルで、この製品はその時点ではまだ発注できない状態でした。(数日後に発注しましたがw)

そして、ふと開いてみた「ヘッドフォン&スピーカー」のページに、Beats ブランドの見覚えのない機種が…

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「Shanling(シャンリン) M5, M2, M3」を実機比較レビュー 〜 コストパフォーマンスに優れた中華DAP

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日本で「ハイレゾDAP(デジタル・オーディオ・プレイヤー)」と言えば、まずは韓国 iriverAstell&Kern ブランドの「AKシリーズ」が筆頭に挙げられ、ハイエンド志向の高級ブランドとしての地位を築いていますが、低価格を武器にした中国メーカー勢も以前にも増して勢いづいており、様々なメーカーから次々と新機種が送り出されています。

もちろん国内メーカーも製品を出していますが、ソニーの「ハイレゾ Walkman」以外は、ここ1年程の間にようやく出てきたという印象です。

iPod の生産終了がハイレゾDAPの需要を作り出した?

昨今のハイレゾDAP市場の盛り上がりは、ハイレゾ音源の普及というのも1つにはあるかもしれませんが、一番大きいのは AppleiPod の役割を iPhone に受け渡し、「まともな音楽専用プレイヤーがなくなってしまった」という所が大きいのかもしれません。

20年以上前のMP3黎明期に「MP3プレイヤー」で一躍名を馳せた iriver 社は、大容量型 iPod の終焉とハイレゾ音源登場のタイミングをうまく見計らったかのように、「Astell & Kern」という新たな高級志向ブランドでハイレゾDAPを全世界に展開し、今では世界中のオーディオ関連メーカー、音楽産業やミュージシャンなどに通用するハイレゾDAPのステータスを築いています。

もちろん、他のメーカーもこれを黙って見ているわけではなく、様々なメーカーからハイレゾDAPが発売されていますが、各地域のディストリビューターの奮闘のためか、今のところハイエンド市場では「Astell & Kern」が依然デファクトスタンダードとなっている印象です。

コストパフォーマンスに優れた「中華DAP」が続々登場中

韓国 iriver 社の「AKシリーズ」は完成度だけでなく価格の高さも際立っているため、エントリークラスとして進出しているのが、主に中国メーカーの製品です。

中国メーカー製のDAPで、日本に正規代理店経由で入ってきているものでは、よく名が知れているのは FiiO 社の X シリーズや iBasso の DX シリーズ辺りでしょうか。
以前、「FiiO X1」という最廉価ハイレゾDAPを購入してレビュー記事を書いたように、FiiO社のDAPは、ユーザーインターフェイスや操作性は iPod や高級機には及ばないものの、コストパフォーマンスに優れ、エントリークラス〜中級クラスで健闘しているようです。

しかし FiiO 以外にも中国本土および海外では、日本ではまだ販売されていないものの、おびただしい種類のDAPが開発・販売されています。また、市場の大きな海外での販売を前提としているためか、最近はクオリティが高いものも増えています。

そのうちの1つが、今回の主役「Shanling(シャンリン)」というブランドのハイレゾDAP「Mシリーズ」で、市場でのポジションは新興メーカーである FiiO 社製品と近いものの、長年の据置機での技術的バックグラウンドと、他社と一線を画す独自のミニマムな操作系で海外を中心に愛用者が増えているようです。

Shanling(シャンリン)社の現行ハイレゾDAP「Shanling M5」「Shanling M2」「Shanling M3」の3機種を一斉比較!

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